本章は、アメリカはこれからも長期的に繁栄を続けていくので、長期的な観点で運用に臨むということを再確認するようにも読めますが、筆者は下記のように捉えます。
つまり、
- 時間を味方につければ、百戦危うからず
- 運用コストはなるべく低く、理想はゼロに
- 年金やエンダウメント(大学財団)のような大手機関投資家も、運用コストに注意すべき
- (運用費用も含め)運用資金の外部流出はなるべく避けよ
ということが、運用の本質ではないかと考えます。
実はこれ、日本で運用していても同じことになるのです。仮に、30年前に100万円でS&P500指数連動インデックス・ファンド(信託報酬はなしとする)を買ったとすると、今では790万円(円ベース)になります。
しかしながら、このインデックス・ファンドの信託報酬率が年間1%だったとすると、運用資産は670万円(円ベース)に減ってしまいます(運用コストを1%払っても、S&P500指数に投資して元本が7倍近くなっていたことは、米国株の素晴らしいところではあります)。
ことほどさように、適切な投資対象になるべくコストをかけず時間をかけて運用し、運用途中で資産を引き出さないことが資産形成の正攻法なのです。