朝晩の冷え込みが厳しくなり、冬の気配が濃くなってきました。
年末調整の書類が配られるこの時期は、ご自身の家計や将来のお金について、改めて考える方も多いのではないでしょうか。
2025年度（令和7年度）の年金額が1.9%増額と決まりましたが、日々の物価上昇を考えると十分とは言えないかもしれません。
特に40歳代、50歳代の皆様にとって、老後の生活設計は待ったなしの課題ではないでしょうか。
本記事では、年金制度の基本をおさらいした後に、いまのシニア世代が受給する「厚生年金・国民年金」の受給額の平均額を確認していきます。
65歳以上の無職世帯の生活費や、公的年金だけで生活費をやりくりできている高齢者世帯がどれくらいいるのかといった年金暮らしの実態にも迫っていきましょう。
1. 公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造
公的年金は「2階建て構造」などと表現されます。
これは、1階部分にあたる「国民年金（基礎年金）」、2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
1.1 《1階部分》国民年金
- 加入対象者：原則として日本に住む20歳以上から60歳未満の全員
- 年金保険料：全員一律、ただし年度ごとに改定あり（2025年度月額：1万7510円）
- 受給額：保険料を40年間欠かさず納付すれば満額（2025年度月額：6万9308円）
1.2 《2階部分》厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入
- 加入対象者：会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所（※1）に働き一定要件を満たした人
- 年金保険料：収入に応じて（上限あり）変わる（※2）
- 受給額：加入期間や納めた保険料により個人差あり
※1 特定事業所：1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者（短時間労働者は含まない、共済組合員を含む）の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の保険料額：標準報酬月額（上限65万円）、標準賞与額（上限150万円）に保険料率をかけて計算される
国民年金には、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が原則加入し、一律の年金保険料を納めます。
一方で厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料を納めるしくみです。
