師走が近づき、慌ただしい時期となりました。
年末調整の書類を準備する中で、来年の家計や遠い将来のお金について考える時間も増えるでしょう。
特に40歳代、50歳代の皆様にとって、「公的年金」は最大の関心事の一つです。
メディアでは「平均受給額」がよく報じられますが、その数字だけを見て安心したり、不安になったりしていませんか。
例えば、厚生年金の男女差は平均で月約6万円にも上り、「平均」が必ずしもご自身の将来を反映しているとは限りません。
本記事では、年代別の平均額だけでなく、1万円刻みのリアルな受給者分布にも焦点を当てます。
ご自身の将来像を具体的に描くため、まずは現実のデータを見ていきましょう。
また、受給開始後の確定申告についても、2025年(令和7年)分からの変更点を踏まえて解説します。
1. 公的年金のしくみをおさらいしよう!
公的年金は、基礎部分となる「国民年金」と、上乗せ部分にあたる「厚生年金」から成り立つ2階建て構造です。
国民年金は原則として、国内在住の20歳以上60歳未満の全ての人が加入対象で、年金のベースとなります。国民年金保険料(※1)は全員一律です。
厚生年金は企業や官公庁などで働く人たちが、国民年金に上乗せして加入する年金です。毎月の給与や賞与に応じた年金保険料(※2)を納めます。
国民年金保険料を全期間(480月)納めると、65歳以降で満額(※3)の老齢基礎年金を受け取ることができます。未納期間があった場合は、その月数に応じて満額から差し引かれるしくみです。
厚生年金は、「年金加入月数」と「納めた保険料」により、老後の年金額が決まります。
※1 国民年金保険料:2025年度は月額1万7510円
※2 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※3 国民年金の満額:2025年度は月額6万9308円
