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2015年10月30日(金)、ヤマダ電機が東京駅八重洲口に新店舗 Concept LABI TOKYO をオープンしました。
同店は“最先端コンセプトの情報発信基地””として、これまでのヤマダ電機の都市型店舗よりもさらに生活提案に重点を置いている様子です。立地も東京駅から道路を隔ててすぐの場所であり、新幹線利用者のみならず、海外からの集客も期待できます。
ヤマダ電機は地方や郊外の大型家電量販店として規模を拡大してきましたが、消費回復の鈍い地方店をリストラし、改めて都心重視に舵を切りました。新店舗がその起爆剤になるか注目です。
いよいよConcept LABI TOKYOがオープン
ヤマダ電機の新店舗が10月30日に東京駅八重洲口に開店しました。場所は大丸東京店から道を渡ったすぐの場所です。B1から地上10階までの全11フロア(ステージと呼ばれます)で、売り場面積は約2,000坪です。
最先端コンセプトの情報発信基地
売り場面積から見ると、秋葉原のヨドバシカメラや有楽町のビックカメラよりは小ぶりです。あらゆる商品を並べて売るというよりも、ショールーム&アンテナショップを兼ねた販売店舗と言えるのではないでしょうか。各階をステージと名付け、外国人や法人へも対応するという店づくりです。
フロア構成は地下1階から順に、ギフト/ドラッグ/時計、Apple、携帯/SoftBank/au/docomo/Y!mobile、ソニー/パナソニック、液晶テレビ/オーディオ、カメラ・高級家電、化粧品/理美容品/インバウンド、調理家電/クリーナー/最寄品/ハーブリラックス、エアコン/冷蔵庫/洗濯機/カフェレスト、パソコン/スマートレスキュー、法人/PC周辺機器/PCサプライとなっています。ちなみにハーブリラックスとは同社のPBのブランド名です。
ヤマダ電機の次の柱であるLABI業態を牽引する存在になるか
ヤマダ電機は郊外の不採算店舗を閉鎖し、消費が相対的に堅調な都心部に改めて力を入れようとしています。実は、ヤマダ電機が都心部を強化するというのはこれが2回目になります。
1回目は地方や郊外店舗で規模を追求し業界ナンバーワンとなっている時で、規模の利益を活かして都心部を攻略しようとしました。簡単に言えば、規模を活かして価格で勝負をしようとしたと言えます。特に2009年池袋に出店した「LABI1 日本総本店池袋」は大きな話題になりました。
しかし、この時期からネット販売が台頭し、ヤマダ電機といえども価格競争に巻き込まれることになりました。エコポイントが終了し、デジタルテレビの不況が来たことも業績の悪化につながります。
また、ヤマダ電機の都心進出を受けて立ったヨドバシカメラやビックカメラは、価格では現れない付加価値、つまり販売員の知識と営業力でヤマダ電機を一旦退けました。
今回のヤマダ電機の動きはリベンジを狙ったものでしょう。「日本が誇る最先端の家電製品や多彩なサービスソリューションを、ライフスタイルとともに発信する」というヤマダ電機の発したメッセージに新鮮さを覚えます。
ヤマダ電機が本格的に復活するには価格だけではなく、商品知識を踏まえた提案力が不可欠です。東京駅の目の前の恵まれた立地を活かし、多様な顧客ニーズをうまく汲み取って商売につなげるような流れが確立できるのか、大いに注目したいと思います。
【2015年10月30日 投信1編集部】
■参考記事■
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LIMO編集部