1. 介護の理想と現実のギャップが浮き彫りに(ハルメク調査)
株式会社ハルメクホールディングスの「介護に関する意識・実態調査」(50~87歳の女性474名対象)では、介護に対する意識や実態について、興味深い結果が示されています。
1.1 介護の場所に関する意識のギャップ
- 自身が介護される場合:生活を送りたい場所のトップは「自宅」で約4割
- 家族を介護する場合:生活を送ってもらいたい場所のトップは「介護施設」で約7割
この結果から、自分のことは住み慣れた自宅でと考えながらも、家族の介護についてはプロのいる施設を望むという、理想と現実のギャップが浮き彫りになりました。
1.2 年代による利用意向の差
「デイサービス・デイケア」や「配食サービス・代行業系」は全年代で利用意向が高い一方、50歳代では「AIやロボットによる介護サポート」「スマート家電による介護支援」など、最新技術を活用した介護サービスへの利用意向が他の年代に比べて高い傾向が見られました。
1.3 介護経験者の高い備えの意識
【介護経験別】自身の介護のために備えていること・これから準備していくこと
出所:株式会社ハルメクホールディングス【介護に関する意識・実態調査】「自分は自宅で」「家族は施設で」 介護の理想と現実のギャップが浮き彫りに(PR TIMES)
なお、介護経験者は「貯蓄などによる経済面での備え」のほか、「エンディングノートの記載」「家族と介護方針などについて話し合う」といった項目で、未経験者より高い割合で備えていることが分かりました。
介護体験談からは、大変さや後悔の念とともに、ケアマネージャーや訪問医療、デイケアといった「外部サービスへの感謝の声」も多くみられ、プロの介護の重要性が示されています。
誰もが望む理想の介護を実現するためには、プロの力や外部サービスが不可欠であり、それはすなわち「お金との相談」になると言えるでしょう。
次では「介護の費用」を考えるうえでの基本となる、シニア世代の年金受給額の最新データを見ていきましょう。