「生活が苦しい」高齢者は半数超！【70歳代】シニア世帯の「貯蓄・年金・生活費」のリアル【何が変わる？】2025年「年金制度改正法」成立！ポイントをわかりやすく解説

12月は、1年の締めくくりに家計を振り返り、これからの暮らしを考えるのにぴったりの時期です。物価の上昇や社会保障制度の変化が続く中、老後の生活をどう支えるかは誰にとっても大切なテーマです。

特に、70歳代の世帯がどれくらいの貯蓄を持ち、年金でどの程度生活費をまかなっているのかは、多くの方が気になるところだと思います。

この記事では、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額や、厚生年金・国民年金の平均月額についてわかりやすく解説します。さらに、シニア世帯の生活意識や、最近の年金制度改正のポイントにも触れますので、ぜひ参考にしてください。

1. 【生活意識の調査結果】高齢者の55.8％が「生活が苦しい」と回答

厚生労働省「2024（令和6）年国民生活基礎調査の概況」をもとに、高齢者世帯（※）の生活意識について見ていきましょう。

※高齢者世帯：65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

高齢者の生活意識

調査結果によると、シニア世帯の暮らしぶりは大きく3つの層に分かれています。

まず、全体の半数超（55.8％）が「大変苦しい」または「やや苦しい」と回答しており、経済的な不安を抱えている世帯が多数派です。

一方、「ややゆとりがある」または「大変ゆとりがある」と答えた世帯は合わせて4.2％と、ごくわずかにとどまりました。

つまり、経済的に余裕のあるシニア世帯は、非常に限られていることがわかります。

その中間にあたる「普通」と回答した世帯は40.1％で、「苦しい」と答えた層には及ばないものの、「ゆとりがある」層を大きく上回っています。

このことから、多くのシニア世帯が大きな豊かさを享受しているわけではないものの、一定の生活水準を維持しつつ堅実に暮らしている層が存在していることが見て取れます。