【常に赤字!?】65歳以降《おひとりさま》の年金生活は月2.8万円の不足。ひと月のリアルな生活費と年金額《データで徹底解説》

木々が葉を落とし、冬の足音が近づく11月となりました。年末が近づくと、日々の忙しさに加え、ふと将来のお金、特に「老後」について思いを巡らせる方も多いのではないでしょうか。

働き盛りの今、ご自身の親世代でもある「65歳以上の人たち」が、実際にいくら年金をもらい、どのような家計で暮らしているのか、その貯蓄事情は非常に気になるところです。「年金だけで本当に生活できるのか」「毎月の赤字は、貯蓄でどれくらい補っているのか」といった疑問は尽きません。

本記事では、最新の公的データを徹底分析。65歳以上単身世帯のリアルな家計収支、特に毎月の「赤字額」を具体的に解説します。

さらに、現役時代の働き方が将来の年金額にどれほど影響するのか、年代別の食費事情まで深掘り。まずは「平均的な現実」を知ることで、ご自身の老後設計を考えるための確かな土台を築きましょう。

1. 年金だけでは足りない!? 65歳以上単身世帯のリアル家計収支

総務省統計局の「家計調査報告家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、標準的な65歳以上・単身無職世帯のひと月の家計収支データを見てみましょう。

■うち社会保障給付（主に年金）12万1629円

■うち消費支出：14万9286円

■うち非消費支出：1万2647円

この単身世帯の家計は、毎月約2万8000円の赤字となっています。公的年金を中心とした月収約13万4000円に対し、支出が約16万2000円と収入を上回っているためです。

可処分所得（手取り収入）の約1.2倍以上を消費に充てている状態で、貯蓄を取り崩しながら生活している様子がうかがえます。