2. 在職老齢年金の基準引き上げ、「年金繰下げ受給」を選ぶ人は減る?
支給停止基準の引き上げによって、働きながらでも老齢厚生年金が減らされにくくなるため、65歳から受け取りを始める人が増える可能性があります。
一方で、「繰下げ受給を選ぶ人が減る」とは一概に言えません。繰下げ受給とは、65歳から受け取れる年金の開始時期を遅らせることで、1か月遅らせるごとに0.7%ずつ、最大84%まで年金額を増やせる制度です。
これは在職老齢年金とは別の仕組みであり、直接の関係はありません。
そのため、収入が高く支給停止基準を超える人や、将来の年金をより多くしたい人にとっては、今後も繰下げ受給が有力な選択肢の一つとなります。つまり、「繰下げを選ぶ人が一気に減る」とは言えず、働き方や生活設計によって選択は分かれると考えられます。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)