2025年も10月が終わり、冬の気配が感じられるようになりました。寒さが本格化すると暖房費などの支出が増え、家計への影響が気になる方も多いのではないでしょうか。

特に公的年金で生活をされている方々にとって、日々の生活費の管理は重要な関心事です。次回の年金支給日は2025年12月15日(月)に予定されており、多くの方が心待ちにしていることでしょう。

老後の暮らしを支える大切な収入源である年金ですが、ご自身が将来いくら受け取れるのか、また同世代の人々が平均してどのくらいの額を受給しているのか、具体的に把握している方は少ないかもしれません。

この記事では、60歳代から90歳代までの年代別・男女別の平均受給額についてわかりやすく解説します。

1. 年金の基本

日本の公的年金制度はしばしば「2階建て」と表現されます。

これは20歳以上60歳未満の方が原則加入者する「国民年金」が1階部分となり、その上に会社員や公務員などが加入する「厚生年金」が2階部分として上乗せとなる構造になっているためです。

それぞれの特徴を確認します。

1.1 1階部分:国民年金

  • 加入対象:原則として日本国内に住む20歳以上から60歳未満の全ての人
  • 年金保険料:全員一律(※1)
  • 老後の受給額:40年間納付すると65歳以降に満額(※2)を受給できる

※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円

1.2 2階部分:厚生年金

  • 加入対象:会社員や公務員、一定要件を満たすパート・アルバイトの人が国民年金に上乗せして加入
  • 年金保険料:報酬(賞与・給与)に応じて計算される(上限額あり※3
  • 老後の受給額:国民年金に上乗せして受給。厚生年金部分は年金加入期間や納付済保険料により個人差が出る。

※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。

2階部分の厚生年金に加入している方は、1階部分の国民年金にも加入していることになります。

加入している年金の種類は老後の受給額に直接影響し、基本的には厚生年金にも加入していた方の方が手厚い給付を受けられる傾向にあります。