3. 厚生年金保険料が見直されるタイミング

厚生年金保険料は、毎年9月に変更されます。これは「定時決定」という仕組みによるものです。

定時決定では、実際の報酬額と標準報酬月額に差が生じないよう、毎年1回標準報酬月額を決定し直します。流れは以下のとおりです。

  1. 7月1日現在で雇用している健康保険・厚生年金保険の被保険者の4・5・6月の報酬月額を事業主が届け出る。
  2. 届出内容にもとづき、厚生労働大臣が標準報酬月額を再決定する。決定した保険料は、その年の9月から翌年8月まで適用される。

つまり、毎年4〜6月の給料・手当が、その年の秋以降の手取りに影響します。9月分の保険料は10月の給与から差し引かれるのが一般的なため、人によっては10月から手取りが変動している可能性があるのです。

また、昇給などで賃金に大きな変動があった場合は「随時改定」により保険料が見直されます。随時改定では、変更後の報酬を初めて受けた月から4ヵ月目の標準報酬月額から改定されます。

たとえば、4月に支払われる給与に変動があった場合、保険料に反映されるのは7月からです。そのため、直近で昇給した人は、この秋から手取りが変動している可能性があります。

次章では、社会保障負担の課題と対策を解説します。