就職活動において「有名企業」や「大手企業」を選ぶことが定石だという考え方は今も根強くあります。しかし、Z世代が企業を選ぶ際には、本当に「誰もが知る知名度」を重視しているのでしょうか。
今回は最新の意識調査から、Z世代が企業に求める「社風」の正体と現実的な初任給の基準に迫ります。後半では労働力調査から転職についての考え方を見ていきます。
1. 企業選びは「社風」重視? 最新調査結果から、Z世代の本音に迫る
トガル株式会社が実施した、Z世代(21〜23歳の学生・若年層)を対象にした「企業選びの本音」に関する調査を見ていきましょう。
1.1 調査概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2025年8月
- 調査パネル:外部調査会社のアンケートパネルを使用
- 居住地:東京・愛知・大阪
- 性別:男女
- 年齢:21〜23歳の学生
- 回答者数:94名
- 実施主体:トガル株式会社
※上記はスクリーニング後の本調査の人数となります。
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
1.2 「知名度」へのこだわりは少数派:8割以上が有名企業に固執しない
企業の知名度はどの程度を希望しますか?
- 誰もが知る知名度の高い有名企業: 16.0%
- 一般的ではないが業界内では知名度が高い企業: 41.5%
- 知名度は気にしない: 40.4%
- 知名度の低い企業: 2.1%
企業選びにおける「知名度」について尋ねたところ「誰もが知る知名度の高い有名企業」を希望する学生は16.0%にとどまりました。
一方で「一般的ではないが業界内では知名度が高い企業」を希望する人が41.5%、「知名度は気にしない」人が40.4%と、全体の8割以上が「有名企業」であることにはこだわらない姿勢を示しています。
私が就活をしていた際も、有名企業も受けていたものの自分がやりたいことができる企業であれば知名度に関係なく説明会に参加し、その企業の事業内容や成長性、安定性などを見ていました。
まわりをみても「有名企業でなければならない」という考え方ではなく、やりたいことをするためにどの企業に入社したいかを考えているように思います。
知名度という表面的な要素にとらわれず、企業の実力や内情を重視する、Z世代の現実的かつ合理的な企業選びの姿勢が現れていると言えるでしょう。
次の章では、Z世代に好まれる社風について深堀りしていきましょう。
