4. 「転職へのハードルが低い」は本当か?労働市場の動向
Z世代をはじめとする若者世代は、終身雇用を前提としない価値観を持ち、転職へのハードルが低いと言われます。
では、実際の労働市場において、どの程度の人が転職に踏み切っているのでしょうか。総務省統計局の労働力調査から、転職者の動向を見てみましょう。
4.1 転職者数の推移(万人)
2014年
- 転職者数(実数): 291
- 対前年増減(万人): 4
2015年
- 転職者数(実数): 299
- 対前年増減(万人): 8
2016年
- 転職者数(実数): 307
- 対前年増減(万人): 8
2017年
- 転職者数(実数): 311
- 対前年増減(万人): 4
2018年
- 転職者数(実数): 330
- 対前年増減(万人): 19
2019年
- 転職者数(実数): 353
- 対前年増減(万人): 23
2020年
- 転職者数(実数): 321
- 対前年増減(万人): -32
2021年
- 転職者数(実数): 290
- 対前年増減(万人): -31
2022年
- 転職者数(実数): 303
- 対前年増減(万人): 13
2023年
- 転職者数(実数): 328
- 対前年増減(万人): 25
2024年
- 転職者数(実数): 331
- 対前年増減(万人): 3
4.2 転職等希望者数の推移(万人)
2014年
- 転職等希望者数(実数): 810
- 対前年増減(万人): 4
2015年
- 転職等希望者数(実数): 812
- 対前年増減(万人): 2
2016年
- 転職等希望者数(実数): 809
- 対前年増減(万人): -3
2017年
- 転職等希望者数(実数): 827
- 対前年増減(万人): 18
2018年
- 転職等希望者数(実数): 834
- 対前年増減(万人): 7
2019年
- 転職等希望者数(実数): 848
- 対前年増減(万人): 14
2020年
- 転職等希望者数(実数): 865
- 対前年増減(万人): 17
2021年
- 転職等希望者数(実数): 897
- 対前年増減(万人): 32
2022年
- 転職等希望者数(実数): 968
- 対前年増減(万人): 71
2023年
- 転職等希望者数(実数): 1007
- 対前年増減(万人): 39
2024年
- 転職等希望者数(実数): 1000
- 対前年増減(万人): -7
総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」によると、2024年の転職者数は331万人となり、高い水準で推移しています。
また「就業者のうち現在の仕事をやめてほかの仕事に変わりたいと希望している者及び現在の仕事のほかに副業・兼業したいと希望している者」である「転職等希望者」は2024年で1000万人をマーク。こちらは前年に引き続き過去最高の水準です。
転職や副業などを考える人の増加は、働き方や職場環境を重視する考えも影響しているのでしょうか。個人の価値観に合わない職場から積極的に離れる選択肢が一般化していることが、転職者数に反映されていると言えるでしょう。
5. まとめにかえて
Z世代の企業選びは「知名度が高い有名企業」という従来のステータス志向から脱却し、「社風」や「働き方」といった働く環境の質へと軸足が移っているようです。
とくに「安定」と「プライベート」を両立できる環境が強く求められている様子がうかがえます。
これがZ世代なりの「良い会社」という定義になっているといえるでしょう。今後の動きにも注目していきたいですね。
参考資料
LIMO・U23編集部
