元旦という一年でも特別な日に発生した能登半島地震では被災者の中には帰省中という方も多くおり、いつどこで起きるか全く予想できない地震の恐ろしさを感じずにはいられません。

自然災害が毎年のように発生する日本では、365日24時間いつどこで何がおきても不思議ではなく、日頃からの防災意識を高めることが必要です。子どもの頃に受けた防災教育は大人になってからも自分の身を守る大きなスキルになります。

そこで今回は、変化する防災教育や家庭で行いたい防災への備えについて考えていきます。

1. 地震の恐ろしさをまざまざと伝えた「阪神淡路大震災」

地震大国・日本1/7

地震大国・日本

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地震発生が珍しくはない日本でも、大きな地震が悲劇的な状況を生み出すことは誰もが知っています。

とくに1995年の早朝に発生した大都市の直下型地震で、高速道路やビルの倒壊そして神戸市長田区の火災がリアルタイムで報道された映像は全国の人々に大きな衝撃を与えました。

その後、新潟県中越地震や宮城岩手内陸地震、そして津波の脅威を伝え甚大かつ広範囲にわたる被害を受け東日本大震災、熊本地震、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震と時と場所を選ばずに地震は起きています。

事前にある程度の予想ができる台風や線状降水帯とは異なり、「まさか」という時に発生するため日頃から地震が起きた際の備えや行動を考えることは日本で生活する上での必須スキルになっています。

2015年3月に内閣府の防災教育チャレンジプラン実行委員会が作成した「地域における防災教育の実践に関する手引き」が公表され、2017年に公示された学習指導要領では小学校から高校まで防災教育の内容がより充実しています。

「地域における防災教育の実践に関する手引き」表紙2/7

「地域における防災教育の実践に関する手引き」表紙

出所:内閣府「地域における防災教育の実践に関する手引き」

しかし、学校で学んだとしてもそれを継続させなければ防災意識を保つことは難しくなります。やはり家庭での取り組みが欠かせません。

2. あらゆるシチュエーションを考えて緊急時に備える

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あらゆるシチュエーションを考える

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今の子ども達は主に社会の授業を通じて防災教育を学んでいます。その際、学校での避難訓練や住んでいる地域の避難場所が中心となるため、家庭では「学校や自宅以外で被災した時はどうするか」を考えることも必要です。

家庭で防災教育を行う時は以下の点に留意しましょう。

  • 公衆電話の使い方を覚えて家や親の携帯の電話番号を暗記する
  • 住んでいる地域の地形の特徴や弱点を調べる
  • 習い事先で自然災害が起きたときの行動
  • 習い事ではどんな対応をするのか確認をする
  • 旅行先の地形や避難場所の把握をする

地震のように普段の生活を送っている際に突然発生する自然災害は親がいない時に起きる可能性もあります。たとえスマートフォンを所持していても通信が遮断されて連絡が取れないことも考えて、災害時に強い公衆電話の使い方を教えて親の携帯電話の番号を暗記するようにしておきましょう。

お子さんは、公衆電話の使い方を知っていますか?4/7

お子さんは、公衆電話の使い方を知っていますか?

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親世代は公衆電話の使い方は分かっていても、固定電話にほとんど触れたことのない子どもも多くなっています。

「受話器を取って話をする」という動作も知らない子も珍しくないため、「受話器を取って10円玉を投入して電話番号を押す」という流れができるよう練習してみてください。

実際に10円玉を入れなくても、街角に残っている公衆電話で練習することは可能です。また、子どもが使用するカバンなどに複数枚の10円玉を入れておくと出先での緊急時に役立つのでおすすめです。

学校では「海から近いので大きな地震が起きたら高台に避難する」と教えられていても、自宅で被災した時はその条件が当てはまるとは限りません。高台に家があり、土砂崩れや家屋の倒壊の危険性もある時は安全性を確認して「家にいる時に地震が起きたらこの場所に逃げ込む」という場所を予め決めておくようにしてください。

習い事先でも防災教育が行われ、通っている生徒達の安全を守る訓練や講習会を行っている企業もあります。緊急時の連絡方法や避難場所を事前に把握しておくと、なにかあった際に迅速に対応できます。

そして、家族で出かけている休日でも自然災害は構わずに起きます。ですから、家族旅行という楽しい行事に行く際も旅行先の土地が「津波」「がけ崩れ」「土砂災害」のいずれかが起きやすいのか調べておくことが無難です。

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旅行先の土地にどんな災害が起きやすいのか調べておくことも大切

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内陸で生まれ育っていると地震が起きたら津波が起きるという発想が出にくく、学校教育でもその土地の問題に合わせた防災教育が行われるため旅行先で正しい避難行動ができないこともあります。

本来ならば楽しい思い出が残る旅行で自然災害のこともリサーチするのは重い雰囲気になるかもしれませんが、命を大切にする重要なことです。

「地震が起きたらこの高台に逃げる」「地域の避難場所になっている学校に行く」と旅行プランを話し合う時に一緒に考える雰囲気を作ってください。そうすることで、「旅先で緊急事態に遭った時の対応先を考えるのは普通のこと」と子どもの危機管理能力を高めることにもつながります。

3. 子どもの精神面への影響も考慮してゲーム要素も取り入れる

自然災害など暗いニュースが連日流れていると、子どもは「平日の家、学校や職場にいる時も安心できない」と不安になります。たしかに地震はどんな時に起きるか全く分かりません。そして、曜日や時間帯で被害を受けるかどうかも変わってきます。こうした現実を受け止めたくても子どもの不安を増長することにもなります。

そうした感情を抱いている中で防災教育を行うことは不安を助長させることもあるため、精神面を考慮してゲーム要素を取り入れて知識を増やしていくことも必要です。

例えば国土交通省の防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」や徳島県の「地震体験シミュレーションすごろく」「防災かるた」のように国や自治体が作成した防災教育に役立つゲームをダウンロードして家庭で楽しみながら学べます。

カルタで子どもらしい覚え方もできる7/7

カルタで子どもらしい覚え方もできる

出所:徳島県防災・危機管理情報「防災カルタ」

危険性を教えることも大切な教育ですが、やはり子どもの恐怖心が上回ってしまうのはいけません。自然の驚異と向き合いつつ、子どもらしく親子でゲームを通じながら正しく恐れるようにしていきたいですね。

参考資料

中山 まち子