秋から冬へと季節が変わってきました。冬の年金支給日は来月の12月15日に行われます。筆者は日ごろ、資産運用のサポート業務をおこなっていますが、年金のみで老後の生活ができるのか、不安に思われる方がここ最近増えたように思えます。

2004年の年金制度改正でマクロ経済スライドに変わってから、受け取れる年金額の上昇も抑えられた背景もあります。
国の年金のみで老後を乗り切るのは現実的に難しい状況になってきてます。年金を考える上で、国の支援の1つである「年金生活者支援給付金」はご存じでしょうか。

年金に対して不安を持つ前に、ご自身が使える支援制度の内容を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
今回の記事で正しい知識を身につけた上で老後への対策を考えましょう。

1. 年金生活者支援給付金、給付額は対前年度プラス2.7%引上げ!来年3月分まで適用!

「年金生活者支援給付金」は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない場合に受け取れる給付金です。

老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に給付金が設けられており、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。また、給付額は公的年金と同様に、年度ごとに見直しがおこなわれます。

1.1 年金生活者支援給付金「2025年度の給付額」はいくら?

2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年度より+2.7%引き上げられており、6月支給分の「4・5月分給付金」から増額率が適用されています。

各給付金の2025年度月額は以下の通りです。

  • 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円

なお、老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。