最近目にする機会が増えてきた「専業主夫」という言葉。意味はわかるけれど、周りにそんな人はいないという人も多いのではないでしょうか。また、専業主夫としてやっていきたいと思っている男性も中にはいると思います。今回は、銀行員から専業主夫に転身した人に話を聞くことができましたので、専業主夫になったきっかけや将来のことについてご紹介します。
なぜ専業主夫になろうと思ったのか
現在、2児のパパとして、そして家族を支える専業主夫として毎日をあわただしく過ごす彼は(ここではAさんとします)、なぜ専業主夫となる決意をしたのでしょうか。「自分のほうが家事が得意で、奥さんは働くのが好きだった。向き不向きもあるし、お互いに得意なことを活かそうという考え方だったから、自然とこうなった」とAさん。
話を聞いたところ、奥さんはもともと実家暮らし。学生のときも社会人になってからも実家で暮らしていたため、あまり家事が得意ではなかったのだそう。それに対してAさんは、学生のときからずっと一人暮らしで生活してきて、家事も苦手ではなく、性格的にもマメなので洗濯や掃除をこまめにやっていたのだと言います。
「料理も、レストランの厨房でアルバイトをしていたこともあり特に抵抗がなかったですし、自分が思った通りのものが作れるとうれしい。奥さんがそれを食べて喜んでくれるともっとうれしかった」と話してくれました。
世間の目については、「あまり気にならなかった。昔からそういうところがあるが、ちょっと鈍感なのかもしれません。誰がどう思っても、自分の人生だからと割り切る性格。誰かに何かを言われて行動を変えたとしても、そう言った人がその先の結果に責任を取ってくれるわけではないですし、責任は自分で取るしかないので」と笑います。
奥さんは「私は仕事をやめる気もないし、子どもが生まれたからといって何かをあきらめるような生活はしたくない。日本では、母親は常に子ども最優先でなければいけないみたいな空気があるけれど、それは納得はできない」という考えだと言います。
その主張に、Aさんも共感。「日本では女性は、いつの間にか『子ども最優先であること』を期待されているということに初めて気がついた。そして、自分もなんとなくそうあるべきだと無意識のうちに女性に期待していた部分もあったと気づいたんです」と話します。
さらに、「彼女は母親として、背中で見せるというのを実行してくれている。子どもは2人とも彼女が大好きです。自分は子ども最優先で、自分の時間がなくても平気だと思ったし、仕事が嫌いだったわけじゃないけどなんとなく仕事よりも家事のほうが自分に合っている気がしていた。だから今は自分が専業主夫として日中家事や育児をしています」とのこと。夫婦の考え方は合致していて、お互いに納得して毎日を過ごしているのだと言います。
専業主夫になるにあたって「悩んだこと」
そんなAさんも専業主夫になるにあたって、悩んだことがあると言っていました。