11月に入り、朝晩の冷え込みがぐっと増してきました。街路樹の紅葉も進み、冬支度を始める家庭も多いのではないでしょうか。そんな季節の変わり目は、自然と家計や将来の暮らしについて考えるきっかけにもなります。
特に老後の生活を支える「年金」については、「自分はいくらもらえるのか」「それで生活できるのか」といった不安を感じる方も少なくありません。
年金制度は複雑に見えますが、基本を押さえておくことで、将来の見通しがぐっと立てやすくなります。
また、年代によって受給額に差があることを知ると、自分の老後資金をどう準備すべきかのヒントにもつながります。
本記事では、日本の公的年金制度の仕組みをわかりやすく解説します。さらに、年代別の平均受給額を具体的なデータに基づいて紹介します。
1. 公的年金は「2階建て構造」
公的年金は「2階建て構造」などと表現されます。
これは、1階部分にあたる「国民年金（基礎年金）」、2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
1.1 《1階部分》国民年金
- 加入対象者：原則として日本に住む20歳以上から60歳未満の全員
- 年金保険料：全員一律、ただし年度ごとに改定あり（2025年度月額：1万7510円）
- 受給額：保険料を40年間欠かさず納付すれば満額（2025年度月額：6万9308円）
1.2 《2階部分》厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入
- 加入対象者：会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所（※1）に働き一定要件を満たした人
- 年金保険料：収入に応じて（上限あり）変わる（※2）
- 受給額：加入期間や納めた保険料により個人差あり
※1 特定事業所：1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者（短時間労働者は含まない、共済組合員を含む）の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の保険料額：標準報酬月額（上限65万円）、標準賞与額（上限150万円）に保険料率をかけて計算される
国民年金には、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が原則加入し、一律の年金保険料を納めます。
一方で厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料を納めるしくみです。
