4. いまどきシニアは「健康に関する備え」を重視!
内閣府が公表した「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」を確認していきましょう。
老後の準備として最も多く挙げられているのは「健康に関する備え(健康の維持・増進、介護予防、保険、病気やけがの治療など)」で、全体の80.7%を占めています。
他には以下の割合で重要視しているようです。
- 「健康に関する備え(健康の維持・増進、介護予防、保険、病気やけがの治療など)」80.7%
- 「終活関係の準備(葬儀やお墓、財産整理など)」38.1%
- 「住まいに関する備え」25.5%
- 「資産形成(貯蓄や投資など)」24.2%
では公的年金・保険のほかに、老後の備えとして私的な年金・保険に加入しているのでしょうか。
- 「生命保険」56.0%
- 「病気やけがのための保険」50.7%
- 「個人年金」19.7%
- 「介護保険」13.3%
- 「企業年金」13.0%
- 「いずれも加入していない」17.2%
このように、生命保険の加入率が高く、同程度に病気やけがのための保険加入率も高いことが分かりました。
長く健康に過ごしていくためにも、健康に関する備えは欠かせないようです。ぜひ一度老後生活の備えについて考えてみてはいかがでしょうか。
5. 民間の医療保険に加入している高齢者も多い
高齢者のうち民間の医療保険に加入している人はどれくらいいるのでしょうか。
生命保険文化センターの調査によると、医療保障を生命保険で準備していると回答した人は、60代男性で75.4%、女性で77.2%と高くなっています。
70代も男女ともに約65%の加入率となっており、民間の保険への関心が高いことがわかります。
特に、おひとりさまの老後は健康面について不安を感じることも多いかもしれません。
「万一の医療費・介護費に備える」という意識を強く持つ人が多いからこそ、自分に合った保険を選んでいるかどうか見直してみることも必要かもしれません。
6. 万が一の事態に備えて「取り崩す」だけでなく「支える」老後資金設計を
調査結果から、多くの無職夫婦世帯は年金収入だけでは家計を維持できず毎月の赤字を貯蓄で補っているとわかります。一方、通貨性預貯金の増加や有価証券の保有拡大など、シニア世代の資産管理の意識は少しずつ変化しています。
ただし、老後の家計を左右するのは「収支のバランス」だけではありません。持病の治療や通院、介護費用など、年齢を重ねるほど増えやすい医療関連の支出にも備える必要があります。
これからの時代、老後資産は“貯めておく”だけでなく、“守りながら活かす”視点が欠かせません。預貯金・投資・保険をバランスよく組み合わせ、医療費や長寿リスクにも対応できる柔軟な資金設計を整えていきましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
マネー編集部貯蓄班