小さな成長を繰り返し、やがて子供たちの背中には大きな翼が生えて、広い世界へとたったひとりで飛び立つ日が来ます。そして私たちは、つないでいた手を振りほどき、いつのまにかたくましくなった背中を思いっきり押してあげる…。それこそが親がしてあげられる最後にして最高の役割なのかもしれませんね。
ひとりで何もできなかったのに、何かあったらすぐに泣きついてきていたのに…。そんな風に思いながら、飛び立つ子供を見送るときも、きっと初めて園バスに乗せたあの日のように、ほっとしたような、寂しいような、そして気が気じゃない思いを抱くのでしょう。
慌ただしい毎日ではありますが、時間をみつけて子供と一緒に散歩をしてみてはいかがですか。取り留めもない話をしながらただぶらぶらと歩く…これが子供との最高の思い出になるかもしれません。そして4月になったら、思いっきり子供を抱きしめて、旅立ちを祝福してあげましょう。
「さようなら、今までの君。はじめまして、新しい君」という思いを込めて。
最高のものを探しに行こう
「曲がり角の向こうに何があるかは今はわからない。でも、きっと素晴らしいものが待っている気がするの」。モンゴメリ著「赤毛のアン」に出てくる名言です。4月に曲がり角が訪れるのは子供だけではありません。我々大人も、曲がり角を曲がり、親としてまたひとつ成長しなければならないのです。
「また新たな曲がり角に出会うまでに、できるだけたくさん、最高のものをみつけなさい」
親として子供にそう教えられたらいいですね。
大中 千景