4. シニアの暮らし、「前向きに自分らしくいきいきと過ごすため」終活を見つめなおそう

今回は、公的年金制度の平均受給額を年齢別に確認し、終活の現状について見てきました。65歳以降、厚生年金(老齢基礎年金含む)の平均月額が14万円~16万円台であるのに対し、国民年金(老齢基礎年金のみ)は一貫して5万円台です。これは、公的年金だけで生活水準を維持することがいかに難しいかという現実を突きつけています。

だからこそ、自分の年金見込額を正確に把握することが、老後の生活設計において極めて重要になります。不足分を補うための貯蓄や資産運用など、具体的な行動計画を立てる必要があるでしょう。

また、長寿化が進む今、「終活」は「亡くなったときのための準備」というネガティブなものではなく、「人生の後半期を生き生きと過ごすための準備」と前向きに捉える時代です。複雑な手続きはさておき、まずはエンディングノートを書いてみるのはどうでしょうか。金融資産の整理から始まり、自身の「もしも」に備えるための思考が整理され、漠然とした不安を解消する最初の一歩になるはずです。年金支給日を迎えるたびに、ご自身の老後資金と向き合い、前向きな「終活」を進めていきましょう。

参考資料

村岸 理美