2. 就職氷河期世代の単身世帯の貯蓄状況

前出の厚生労働省の「就職氷河期世代の方々への支援について」では、氷河期世代の金融資産保有額はほかの世代と比較して少ない傾向があるとされています。

では、現在の40歳代〜50歳代の方の貯蓄額はどのくらいあるのか、金融経済教育推進機構が公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとに確認していきます。

2.1 40歳代単身世帯の平均貯蓄額

40歳代単身世帯の貯蓄額は、平均値が883万円、中央値が85万円です。平均値と中央値が大きく離れていることから、貯蓄額の高い世帯が全体の平均額を引き上げていると考えられます。

では、保有資産額ごとの人数の割合を見てみましょう。

40歳代単身世帯の金融資産保有高ごとの割合

40歳代単身世帯の金融資産保有高ごとの割合

出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」 をもとに筆者作成

【金融資産保有額:世帯割合】

  • 金融資産なし:33.3%
  • 100万円未満:15.4%
  • 100~200万円未満:7.7%
  • 200~300万円未満:5.2%
  • 300~400万円未満:4.0%
  • 400~500万円未満:1.2%
  • 500~700万円未満:4.9%
  • 700~1000万円未満:4.6%
  • 1000~1500万円未満:5.9%
  • 1500~2000万円未満:2.8%
  • 2000~3000万円未満:3.7%
  • 3000万円以上:8.6%

最も多いのは「金融資産なし」で33.3%で、2番目が「100万円未満」で15.4%となっており、合わせるとおよそ半数が該当することになります。この中には、非正規雇用であったり賃金が低かったりするために、貯蓄をしたくてもできない状態にある方もいるでしょう。

一方、「3000万円以上」が8.6%存在しており、世帯によって貯蓄高が大きく異なることがわかります。