4.2 「国民年金(老齢基礎年金)」の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

平均年金月額は、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給権者は男性16万円台、女性10万円台。国民年金の場合は、男女ともに平均月額は5万円台です。

公的年金は2カ月分がまとめて支給されるため、1回あたりの支給額は一見高めに感じる人もいるでしょう。しかし、これをひと月分に換算すると、年金収入だけで生活できる世帯は多数派ではないかもしれません。

また、上記はあくまでも全受給権者の平均です。実際に一人ひとりが受給する金額は、グラフが示すように大きな個人差があります。

夫婦それぞれの年金見込み額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して把握しておきましょう。

5. まとめにかえて

10月15日の年金支給日を控え、本記事では公的年金の基本的な仕組みと、年金収入が低い方向けの「年金生活者支援給付金」について解説しました。

厚生労働省が示す「標準的な夫婦世帯」のモデル年金月額は23万2784円ですが、これは夫が会社員、妻が国民年金のみ受給のケースを想定したものです。

一方、「年金生活者支援給付金」は、年金を含む収入や所得が一定基準以下の受給者に、年金に上乗せして支給されます。

標準的な夫婦世帯の年金例で考えると、夫の年金年額は給付金の所得要件を超えますが、妻の老齢基礎年金年額(約83万円)は要件を満たす可能性があり、妻のみが支給対象となることも考えられます。

ただし、支給要件を満たすかどうかは個々のケースによって異なります。

さらに、実際の年金額にも大きな個人差があります。夫婦の正確な年金見込み額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認しましょう。

参考資料

太田 彩子