4. 60代、70代 リアルな備えはどのくらい?
70歳代のお金事情について確認してきました。
限られた年金だけで生活するためにも、予期せぬ支出に備えるための備えは重要です。
4.1 民間の医療保険に加入している高齢者も多い
高齢者のうち民間の医療保険に加入している人はどれくらいいるのでしょうか。
生命保険文化センターの調査によると、医療保障を生命保険で準備していると回答した人は、60代男性で75.4%、女性で77.2%と高くなっています。
70代も男女ともに約65%の加入率となっており、民間の保険への関心が高いことがわかります。
特に、おひとりさまの老後は健康面について不安を感じることも多いかもしれません。「万一の医療費・介護費に備える」という意識を強く持つ人が多いからこそ、自分に合った保険を選んでいるかどうか見直してみることも必要かもしれません。
5. まとめにかえて
2024年の生命保険文化センターによる全国実態調査では、生命保険を切り替えた理由として最も多かったのは「保障内容が現在の自分や家族の状況に合っていたから」で、全体の 57.5% を占めました。
ライフステージの変化に合わせて、必要な保障内容を見直す人が多いことがうかがえます。
次に多かったのは「掛金が安かったから」で 35.4%。
新しい保険に切り替える際、毎月の保険料を抑えられることが決め手になるケースも少なくありません。
保険を選ぶ際は、
- 現在の生活や家族構成に合っているか
- 保険料と保障内容のバランスが取れているか
といった視点で検討することが大切です。
そのため、日々の暮らしだけでなく「もしもの医療費」まで想定した備えを整えておくことが安心につながります。医療保険やその他の仕組みを活用しながら、自分に合った形で将来に備えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 生命保険文化センター「令和4年 生活保障に関する調査」
三石 由佳