2025年11月は、年金積立金管理運用独立行政法人（GPIF）が公的年金の運用実績で大規模な黒字を計上したことが報じられ、年金制度への関心が高まる時期となりました。
現役世代の私たちにとって、老後の生活を支える公的年金制度がどのように機能し、将来どの程度の年金を受け取れるのかは、最大の関心事の一つです。
特に、毎年発表される年金額の改定は、物価や賃金の動向を反映する重要な指標であり、私たちの老後設計に直結します。
本記事では、この注目の2025年度の年金額の具体的な例から、日本の公的年金の「2階建て構造」である国民年金と厚生年金の基本、そして年齢階層別・男女別の平均受給月額までを、詳細なデータに基づき解説します。
現在の年金受給世代が実際に受け取っている金額を知ることは、私たちの老後資金計画を立てる上での重要な第一歩となるでしょう。 公的年金の実態を把握し、将来への備えを考えるための羅針盤として、ぜひ最後までお読みください。
1. 年金は前年比＋1.9％増額！
公的年金額は物価や賃金の変動を反映して、毎年見直しが行われます。2025年度の年金額は、2024年度から1.9％引き上げられます。
1.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 国民年金（老齢基礎年金（満額））（※1）：6万9308円
- 厚生年金：23万2784円（夫婦2人分）（※2）
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円（対前年度比＋1300円）
※2 厚生年金は「男性の平均的な収入（平均標準報酬（賞与含む月額換算）45万5000円）」で40年間就業した場合に受け取り始める年金（老齢厚生年金と２人分の老齢基礎年金（満額））の給付水準
1.2 2025年度の年金はいつからもらえる？
公的年金の支給日は「偶数月の15日（土日の場合は直前の平日に前倒し）」で、前月までの2カ月分がまとめて支給されます。
2025年の年金支給日カレンダーは以下のとおりです。
【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー
出所：日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成
