夫婦喧嘩について相談したり家を出ていくほどの出来事だと知られたりすれば、心配するのが親の常。そしてその心配は、「お宅の息子さん(娘さん)がうちの子にこんなことを~」と、お互いの家の問題にまで発展してしまうかもしれません。そうすると、当事者の自分たちが仲直りした後も、両家にしこりが残ってしまうという結果に。
一瞬の怒りが、ただでさえ波風を立てたくない義両親とのお付き合いを、余計にギクシャクさせてしまうのです。家出をしたくなるほど怒りが頂点に達している時こそ、結婚とは自分たちだけではなく、お互いの家族が結び合うことだということを冷静に捉えることが大切です。
家出という手段は何度も使えない
家を出るという行動は、自分の強い怒りを表現したり相手に反省を促したりといった一定の効果があるでしょう。しかし、その手段は2回、3回と繰り返すことで、求めている効果はどんどん薄れていきます。何度も使うことで相手も「またか」「どうせすぐに帰ってくるだろう」と捉えるようになるからです。
そして何よりも、同じことを繰り返すのは自分自身が過去の経験から学んでいないということ。家出という手段は何度も使えないと、肝に銘じなければいけません。
もちろんプチ家出をせず、話し合いで物事を解決していくことがベストな方法であることは言うまでもないでしょう。しかし、話し合いだけですべてが丸く収まるわけではなく、また時間と距離を置くことで、よりよい道に進むこともあります。とっさの家出によって人生の後悔をしてしまう前に、今一度その意味を考えておきましょう。
秋山 悠紀