がん検診で上皮内新生物と診断された場合、「がん保険で保障されるのか」と不安に感じる方は多いでしょう。上皮内新生物は早期がんの一種ですが、保険会社によって保障内容が大きく異なるのが現状です。

がん罹患数全体の約10%が上皮内新生物で発見されており、特に子宮頸がんでは68%、大腸がんでは21%が該当します。適切な保険選びで経済的な不安を軽減し、治療に専念できる環境を整えましょう

1. がん保険における上皮内新生物の3つの保障パターン

がん保険によって、上皮内新生物の取り扱いは異なる場合があります。よくある給付金受取の3つのパターンを解説します。

1.1 満額保障タイプ:悪性新生物と同じ給付金額

最も手厚い保障を提供するのが、上皮内新生物と悪性新生物を同額で保障するタイプです。診断一時金が100万円設定であれば、上皮内新生物でも満額の100万円が支給されます。

満額保障タイプの保険は保険料が高めに設定される傾向がありますが、がんの進行度に関わらず安心して治療に専念できるメリットがあります。近年の保険商品では、このタイプが主流となっています。

満額の給付金が支払われるタイプのがん保険であっても、子宮頸がんの高度異形成は上皮内新生物に該当しないなど、保険会社によってがんの種類で基準が異なることもあります。事前に約款や設計書をしっかりと確認しましょう。

1.2 減額保障タイプ:給付金が10~50%に設定

上皮内新生物の給付金を悪性新生物の10~50%に設定している保険もあります。たとえば、悪性新生物で100万円の設定なら、上皮内新生物では10~50万円の給付となります。

このタイプは保険料を抑えながらも一定の保障を確保できる点が特徴です。ただし、治療費や生活費を考慮すると、給付金額が不足する可能性もあります。

1.3 対象外タイプ:給付金の支払いなし

古い契約のがん保険では、上皮内新生物が保障対象外となっているケースが多く見られます。「悪性新生物のみ給付」と明記されている保険では、上皮内新生物での給付は受けられません。

このタイプの保険に加入している場合は、健康なうちに保険の見直しを検討することが重要です。一般的に上皮内新生物と診断されると、新たな保険に加入することが困難になるため注意が必要です。

2. 上皮内新生物対応のがん保険選びの重要ポイント

ここからは、上皮内新生物に備えるがん保険の選び方について、詳しく解説します。

2.1 ポイント1:保障範囲と給付金額の詳細確認

がん保険加入時は、約款や設計書で上皮内新生物の保障内容を必ず確認しましょう。「悪性新生物のみ給付」と記載されている場合、上皮内新生物は対象外となります。

保険会社によっては「上皮内がん」という表記を使用している場合もあります。給付金額についても、満額保障か減額保障かを明確に把握することが大切です。

2.2 ポイント2:入院・手術保障の対象範囲確認

上皮内新生物の治療は主に手術となるため、入院・手術給付金の保障内容も重要な確認ポイントです。診断一時金だけでなく、実際の治療費をカバーできる保障設計になっているかチェックしましょう。

放射線治療や抗がん剤治療への保障を追加できる保険もあるため、自身のニーズに合わせた柔軟な設計を検討することをおすすめします。

2.3 ポイント3:診断一時金の支払い条件確認

診断一時金タイプに加入する際は、上皮内新生物と悪性新生物の両方で同額給付があるかを確認することが重要です。また、複数回給付の条件についても事前に把握しておきましょう。

一度きりの給付タイプを選ぶ場合は、給付金額を高めに設定するなどの工夫も必要となります。がんの種類や再発・転移の定義によって給付条件が変わることもあります。