3. 運用利回りは事前にわからないことに注意!

積立金額別に2000万円貯めるために必要な年数を年率3%での運用を前提にシミュレーションしましたが、運用利回りは事前にわからないことには注意が必要です。

経済状況や相場によって、運用成績は変動します。

では、運用利回りによって2000万円貯めるために必要な期間はどれくらい変わってくるのでしょうか。

月3万円の積立投資の場合で、2000万円貯めるために必要な期間をシミュレーションしてみましょう。

シミュレーションの結果は、以下のとおりです。

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」を基に筆者作成

3.1 【運用利回り別】月3万円の積立投資で2000万円貯めるために必要な期間

運用利回り 必要な積立期間

  • 年率1% 44年3カ月
  • 年率2% 37年6カ月
  • 年率3% 32年11カ月
  • 年率4% 29年7カ月
  • 年率5% 26年11カ月
  • 年率6% 24年10カ月

年率1%で運用した場合と年率6%で運用した場合とでは、2000万円貯めるために必要な期間は約20年も異なります。

いかに運用利回りが資産運用において重要かがわかるでしょう。

ちなみに、日本の年金を運用するGPIFは国内外の債券や株式に分散投資していますが、過去24年間の平均運用利回りは年率3.99%となっています。一つの目安にしてみてもいいかもしれません。

4. 資産運用は家計の状況や金融商品ごとに異なる特徴をよく理解したうえで検討を

本記事で紹介した通り、たとえ積立金額が小さくても運用期間が長ければ資産を増やすことを目指せます。

これは、投資の利益に対して利益がつく「複利効果」により雪だるま式に資産が増えることが期待できるためです。

ただし、資産運用には価格変動リスクが伴います。家計の状況や金融商品ごとに異なる特徴をよく理解したうえで検討するようにしましょう。

参考資料

苛原 寛