「貯蓄型(性)保険」は、いわゆる「掛け捨て」保険とは違い、「保険をかけておきながら貯蓄もしたい」という方には魅力的な金融商品でしょう。今回は、保険契約の最新動向と貯蓄型保険の「途中解約」から生じる注意すべきポイントをご紹介していきたいと思います。
最新の保険の契約動向
2018年10月に生命保険協会から発表された「2018年版 生命保険の動向」。2017年度(平成29年度)の保険種類別の新契約件数(転換後契約を含まない)は、以下の通りとなっています。
- 医療保険:343万件(全体に占める構成比24.5%)
- 終身保険:287万件(同20.5%)
- 定期保険:206万件(同14.7%)
- がん保険:189万件(同13.5%)
- 養老保険:104万件(同7.5%)
このように、国内の高齢化・長寿命化を反映してか、件数でみると、定期保険よりも医療保険や終身保険が人気です。また、貯蓄型保険と呼ばれる終身保険と養老保険を加えると全体で28%程度を占めます。
また、新契約高(転換後契約を含まない)でみると、以下のようになっています。
- 定期保険:29兆5552億円(全体に占める構成比47.2%)
- 終身保険:11兆9484億円(同19.1%)
- 養老保険:3兆8954億円(同6.2%)
- 変額保険:1兆8897億円(同3.0%)
- こども保険:7523億円(同1.2%)
新契約高で見ると、定期保険が半分近くの比率を占めています。定期保険は少ない保険料で多くの保険金を準備できるのが特徴です。また、貯蓄型保険も終身保険、養老保険、こども保険を合計すると、27%程度あります。
貯蓄型保険とは、そもそもどのような保険か
貯蓄型保険とは、養老保険のように、一定の保険期間内に死亡した場合に死亡保険金が受け取れ、また満期時に生存している場合には満期保険金を受け取れる保険のことを言います。ちなみに、死亡保険金と満期保険金は同額です。
また、終身保険も解約時に解約返戻金が戻ってきます。終身保険では、たとえば、60歳以降に保障を続けることもできますし、解約をして解約返戻金を受け取ることができます。この特徴から終身保険も貯蓄型保険と呼ばれます。