3. シニア層の家計管理、「生活費と収入のバランス」見極めが大切
今回は、60歳代の貯蓄の実態を解説するとともに、現在の65歳以上無職夫婦世帯の生活費とその内訳について解説しました。65歳以上の無職夫婦世帯が安心して老後を過ごすためには、生活費と収入のバランスをしっかりと見極めることが重要です。一般的に老後は収入が減少するため、年金や手元の貯蓄をもとに日々の生活をやりくりしていく必要があります。
もちろん、貯蓄を増やす努力も大切ですが、今から大幅な増加が難しい場合には、毎月の支出を見直し、赤字の発生を最小限に抑えることが現実的な対策となります。まずは、毎月の支出額や支出の内訳を正確に把握することが第一歩です。
どの項目にお金を使っているのかを把握することで、見直すべきポイントが明確になります。そして、収入とのバランスを踏まえた上で、自分たちに合った老後の生活設計を描くことが、将来への安心につながります。
もし生活設計に不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談するのも有効な手段です。専門的な視点から具体的なアドバイスを受けることで、老後の備えをより現実的に進めることができるでしょう。
参考資料
- 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編」2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編」2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」
村岸 理美