1.2 社会保険上の扶養

社会保険上の扶養とは、扶養者が加入している社会保険に保険料負担なく加入できる状態をいいます。

扶養者の健康保険に加入できるのは扶養者に生計を維持されている配偶者や子ども、親などで、「被扶養者」と呼びます。

また、厚生年金に加入する扶養者に生計を維持されている配偶者(被扶養配偶者)は「第3号被保険者」として保険料負担なく国民年金に加入できます。

2. 所得税法上、交通費は収入に含めない

所得税法上、交通費は一定限度まで非課税です。つまり、扶養判定するための収入は、交通費を含めずに計算します。

そのため、配偶者控除や扶養控除などを受けるために交通費は気にする必要はありません。

ただし、1ヶ月の交通費が15万円を超える場合、超過分は課税対象となるため注意が必要です。

3. 社会保険上、交通費は収入に含まれる

社会保険の扶養になるための年収基準については、所得税法上の扶養と異なり、交通費は収入に含まれます。

そのため、交通費が高額になると社会保険の扶養から外れやすくなります。

扶養から外れると、健康保険や公的年金の保険料を自分で支払わなくてはならないため、経済的負担は大きくなります。

ここまで、所得税法上の扶養と社会保険上の扶養、それぞれにおける交通費の取扱いについて解説しました。次章では、2025年に大きく変わった「扶養内で働くための年収」について解説します。