今日から早くも10月を迎え、今年も残りわずかとなりました。時の流れの速さに驚くとともに、目前に迫る2026年に向けて、生活の基盤となるお金について見直す良い機会です。次回の年金支給日は10月15日であと2週間です。

そんな年金について、日本の公的年金制度は、ベースとなる国民年金(基礎年金)と、上乗せ部分の厚生年金から成り立つため、「2階建て構造」と呼ばれています。

特に現役時代に加入していた厚生年金は、個々人の受給額に大きな差が出ます。「私は同年代と比べて、年金を多くもらっているのだろうか?」—誰もが抱くこの疑問は、老後設計の重要なカギとなります。

知っているようで知らない年金の仕組みと、あなたの受給状況。早速、一緒に確認していきましょう。

1. みんなの暮らし、「値上げの波」に負けない生活設計が重要

まずは、暮らしに関わる物価上昇の話題からです。帝国データバンクが9月30日に発表した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2025年10月の飲食料品値上げは3024品目となり、前年10月(2924品目)から100品目・3.4%増となりました。

食品分野別にみると、焼酎やリキュール、日本酒などアルコール飲料を中心とした「酒類・飲料」が最も多く、2262品目となりました。2025年通年においても、「酒類・飲料」(4871品目)は、清涼飲料水のほか、ビール、清酒、焼酎、ワインといった洋酒など広範囲で値上げとなり、前年比で8割を超える大幅増となりました。

次いで「加工食品」(340品目)となり、包装米飯や餅製品が中心となりました。「調味料」(246品目)では、焼肉のたれやみそ製品などの値上げが目立ちました。

いずれも食卓に欠かせない食品類の値上げが続いており、家計への打撃は避けられない状況といえるでしょう。

食品の値上げは、これで10カ月連続で前年同月を上回る結果となり、値上げが常態化しつつある実情が明らかになっています。単月でみると、10月の値上げは5カ月連続で1000品目を超えており、連続増加期間は統計開始の2022年以降で最長を更新し続けています。また、4月(4225品目)以来6カ月ぶりに3000品目を上回りました。

一方で、11月に値上げが予定されている食品は9月末時点で100品目に満たず、11カ月ぶりに前年の同月を下回る見込みです。これにより、続いてきた飲食料品の値上げラッシュは年末にかけていったん落ち着きそうです。年間の値上げ品目数も、値上げが本格化した2022年の2万5768品目という水準には及ばず、2万1000品目前後で着地すると予測されます。

物価の上昇が続くなか、消費者は先々の価格高騰も見越したうえで家計を管理したり、より安価な商品を選択したりと、生活を防衛するためのさらなる努力が不可欠になっています。

また、物価上昇が続くこの状況だからこそ、将来の生活を支える年金の仕組みと、あなたの受給状況を把握することが、より安定的で計画的な老後生活を送るための急務となります。