読者に伝えたい3つのポイント
仮に株式市場が大崩れした場合に、どのような銘柄を買い出動すればよいかについて考えてみたいと思います。
ウォーレン・バフェットは、株式市場が混乱している状況で有望な銘柄を“バーゲン・ハンティング”していきます。
バフェット基準で日本株をスクリーニングし、トップ5をご紹介します。
次回株式市場が暴落した時に買いを検討したいリスト
ギリシャ財政問題、イスラム国問題、中国の不景気、欧州の移民問題などを背景に株式市場が不安定さを増しています。また、こうした不安定な状況をうけて、利上げ間近といわれた米国の利上げも2015年9月は見送られました。
米国のFOMC(連邦公開市場委員会)前に開かれた日本銀行の金融政策決定会合でも特に大きなカードを切ることなく過ぎました。
目先では、10月30日に予定されている日銀の金融政策決定会合でどのようなカードを切るのかに注目が集まっているわけですが、今回は、日銀の金融政策決定会合はさておき、仮に株式市場が大崩れになった場合に、どのような銘柄を買い出動すればよいかについて考えてみたいと思います。
株式市場には「落ちているナイフは拾うな」という格言があります。その一方で、投資の神様とも呼ばれる世界の賢者投資家ウォーレン・バフェットは、株式市場が混乱している状況で、前もって目をつけていた有望な銘柄を“バーゲン・ハンティング”していきます。
バフェットには落ちてきたナイフというよりは、「落ちてきた宝石は当然拾うでしょ」という感覚なのでしょう。そこで、バフェットの嗜好する投資基準をもとにスクリーニングをしてみました。
バフェット基準でのスクリーニングとは?
バフェットの投資基準は、経営者の評価なども入りますが、ここはひとまず、時価総額トップ100をユニバース(母集団)に、過去10年の業績をベースにスクリーニングしてみました。
なぜ、時価総額トップ100かということですが、株式市場が暴落している際には、中小型株は株価のボラティリティが高くなりすぎる、あるいは、景況感が非常に悪い場合には、事業規模が小さな企業は倒産などのリスクもあるためです。
下げ相場で拾う際に、より安心な銘柄として企業規模が大きな企業を選考するという前提です。
また、なぜ過去10年かという点については、これはバフェットも自身が経営するバークシャー・ハサウェイのアニュアルレポートで述べていますが、過去の実績が中期経営計画などより重要ということに尽きます。
過去10年には、デフレに始まり、サブプライムローン問題、リーマンショックや超円高などがあり、日本企業も多くの難しい経営環境に直面してきました。過去10年で一度も赤字にならなかった企業には、経営者の能力やビジネスモデルの強固さなど、経営の秘訣があると考えるのが自然です。
そこで、以下のような条件でスクリーニングしました。
- スクリーニングのユニバースは時価総額トップ100(2015年9月30日時点)
- 2004年度から2014年度にかけての10年間の当期純利益の年平均成長率でスクリーニング
- 当期純利益の年平均成長率で+10%以上の銘柄
- 過去10年間に一度でも当期純損失になった銘柄はリストから除外
- 上場企業として10年の実績(トラックレコード)がない銘柄は除外
- 決算期を変更し、継続的な数値が取れない銘柄は除外
スクリーング結果トップ5銘柄
スクリーニングの結果、上の条件に該当する銘柄は20銘柄ありました。その中でも、今回はトップ5をご紹介いたします。
第1位:三菱重工(7011)
第2位:日本たばこ産業(2914)
第3位:住友不動産(8830)
第4位:シスメックス(6869)
第5位:オリエンタルランド(4661)
トップ5の株価は以下の通りです。2003年3月末の株価を100として、直近までの株価推移を示しています。
バフェットのお眼鏡にかなうためには、上のスクリーニング結果に加えて2つのポイントをクリアする必要がります。
- バランスシートにおいて借入比率が小さい
- 当期純利益が継続的に成長している(業績の上下が小さいほうが良い)
上の2点を加味すると、バフェットが好きそうな日本株は、シスメックスとオリエンタルランドということになります。
スクリーングの結果ではいずれもTOPIXのパフォーマンスを上回って推移していますが、継続的に上昇する可能性が高い銘柄を安値でで拾えれば、こんなにうれしいことはありません。さらに詳しくリスト見てみたいという方は以下のリンクをご参照ください。
>>次に株式市場が大暴落する日に買いを検討したい銘柄リスト―バフェットの目線でスクリーニング
LIMO編集部