「そっか、私はパートナーに羨ましがられるほど、恵まれた生活をしているんだ」なんてポジティブに受け止める人は、ほとんどいないのではないでしょうか。

それこそ、「ありがとう、それもあなたのおかげよ」「そうだな、それも君がいてくれるからだよ」なんて返せたら100点満点なのでしょうが…。大概の人は、「イヤミを言われた」と受け止め、カチンときて何言ってるのよ!」「良く知らないクセにそんなことを言うな!」と思ってしまうはず。

実際、あなたがパートナーに「いいよね」なんて言うときは、相手に不満がある場合がほとんどではないでしょうか。自分の大変さをわかってほしい、あなたよりも自分の方がもっと大変で辛い思いをしているから、もっと労わってほしい…。「いいよね」の言葉の裏には、このような心理が隠されているのです。

これじゃあケンカを売られているようなもの、カチンときて当たり前。「お前はいいなぁ」「あなたはいいよね」、ついつい言いたくなってしまう気持ちはわかりますが、あまり容易に使わない方が賢明です。

相手の立場に立って見ること

もし、夫婦がお互いを労わり、尊敬し合っているのなら、「いいな」なんて感情はでてこないかもしれませんね。もしかしたら、「お前はいいよな」「あなたはいいわね」という発言は、もっと自分のことを見てほしい、というパートナーからのSOSかもしれません。

とはいえ、四六時中そんなグチに付き合っていられないのも事実。もしあなたの心に余裕があるなら、「その通り、私は世界一の幸せモノです」と答えるもよし、「何か疲れることがあった?」と相談に乗るもよし。こちらも疲れているときは、右から左へ軽く聞き流すのがベストかもしれません。

大中 千景