4. 年齢とともに高くなる医療費
厚生労働省の「医療給付実態調査報告」によると、入院・通院・調剤にかかる医療費は年齢とともに増加し、85歳以上では年間100万円を超える水準に達しています。
長生きすればするほど資金不足に陥る可能性が高まる、いわゆる「長寿リスク」が顕著になっており、公的年金だけに依存するのは現実的ではありません。
人生100年時代を見据え、現役のうちから貯蓄や資産運用を通じて備えておくことが求められます。
5. まとめ
「年金生活者支援給付金」は、条件を満たすことで年金に上乗せして受け取れる制度です。給付額は決して大きくはありませんが、日々の生活費や医療費の一部を補う助けになります。
ただし、年金に依存する割合が高いほど、将来の生活資金不足リスクも高まります。長寿化社会を見据えると、公的年金や給付金を確実に活用しつつ、現役世代のうちから貯蓄や資産運用による備えを組み合わせていくことが大切です。
NISAやiDeCoなどの制度を利用することも検討し、早めに準備を始めておきましょう。
参考資料
加藤 聖人
執筆者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)、生命保険募集人。証券会社で約8年間、株式や投資信託、生命保険等の販売に携わる。退職後はフリーライター兼個人投資家として活動。金融ジャンルの記事を中心に執筆しつつ、日々のマーケット動向も注視している。
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)