厚生労働省「2024年 国民生活基礎調査の概況」によれば、18歳未満の子どもがいる母は80.9%が仕事をしています。

厚生労働省「2024年 国民生活基礎調査の概況」

厚生労働省「2024年 国民生活基礎調査の概況」

出所:厚生労働省「2024年 国民生活基礎調査の概況」

8割が仕事をしている今、子育てをしながら働きはじめようか考えながらも、働いた後の生活のイメージがつきにくく悩む方もいるでしょう。

共働きとなれば収入が増え、家計収支や貯蓄事情が変わる一方で、日々の生活に仕事が加わることでより忙しくなるところもあります。収入が増えることで広がる選択肢もあれば、手放すことになる時間などもあるでしょう。

働くか、働かないか、働くならどのような働き方をするかー、選択肢は多様だからこそ悩ましいもの。

今回は貯蓄や負債などお金に視点をあてて、「年収600万円」と「年収1000万円」の家族の平均的なすがたをみていきます。

今年も残り約2カ月半となり、1年を振り返り始める時期にきていますが、これを機に来年度に向けた働き方等を考えてみましょう。

1. 「年収1000万円の家族」の「貯蓄額・負債・共働き率」とは?

今回は、総務省統計局が公表している「家計調査 貯蓄・負債編 第8-2表<貯蓄・負債>年間収入階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」を参考にして、その家庭やお金事情をみていきます。なお、こちらの統計では子どもがいない世帯も含んでいます。

上記の資料によると、年収1000〜1250万円の勤労世帯の平均貯蓄額は2124万円でした。

貯蓄額の内訳は、以下のとおりです。

1.1 年収1000万円の家族の貯蓄額の内訳

  • 通貨性預貯金:764万円
  • 定期性預貯金:425万円
  • 生命保険など:440万円
  • 有価証券:425万円
  • 金融機関外:71万円

預貯金の割合の高さが特徴的でしょう。ちなみに、平均負債額は1290万円(うち住宅・土地のための負債:1196万円)で、純貯蓄額は以下のとおりです。

  • 平均貯蓄額2124万円-平均負債額1290万円=834万円

また、共働き率や持ち家率についても紹介しておきます。

  • 世帯主の配偶者のうち女性の有業率:77.1%
  • 持ち家率:86.7%
  • 世帯主の平均年齢:49.5歳
  • 世帯人数の平均:3.47人(うち18歳未満の世帯人員:0.96人)

世帯主の平均年齢は49歳と高めとなっています。世帯人員の平均は3.47人で、18歳未満の世帯人員が約1人となっています。

世帯主の配偶者のうち女性の有業率は7割を超え8割近くとなっています。夫婦共働きで年収1000万円を達成している家族が多いとわかります。