3. NISAのこれから、さらなる拡充に期待!

2025年8月29日に公表された金融庁「令和8年度 税制改正要望項目」には、NISAのさらなる拡充を要望する内容がまとめられていました。この要望の目的は、若年層や高齢層を含むあらゆる世代の長期・安定的な資産形成を支援することにあります 。

NISA対象商品の拡充を含む制度の充実

NISA対象商品の拡充を含む制度の充実

出所:金融庁「令和8年度 税制改正要望項目」

具体的な要望事項として、あらゆる世代が自身のライフプランに沿った資産形成ができるよう、対象商品の拡充などの措置を講じることを求めています 。

また、要望項目には、こども支援の一環としてつみたて投資枠における対象年齢等の見直し(こども家庭庁が共同要望)や、非課税保有限度額の当年中の復活(投資商品の入替をしやすくするため)も含まれています 。

非課税保有期間は無期限、年間投資枠は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円で、非課税保有限度額は1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)とされています。

若年層から高齢層まで、より柔軟で長期的な資産形成を可能にするため、NISAの対象商品拡充や非課税保有限度額の復活など、さらなる制度の充実に今後も期待が高まります。

4. まとめにかえて

今回は、2024年から始まった新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の違いと、長期積立投資の具体的な効果について解説しました。まず、「つみたて投資枠(年間120万円)」は長期・分散投資向けの投資信託に限定され、「成長投資枠(年間240万円)」は幅広い商品に投資できる点が大きな違いです。

どちらの枠も非課税保有期間は無期限、生涯非課税限度額は1800万円と、制度は非常に強力です。金融庁もさらなる制度拡充を要望しており、NISAは今後ますます重要な資産形成の手段の一つとなります。まだNISAをはじめていない人も、まずは少額からでも長期的な資産づくりをスタートしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

村岸 理美