某消費者金融CMで大人気となったチワワを筆頭に、2002年~2006年に起きた空前のペットブーム。この時に飼育が始まったペットと飼い主が、現在陥っている社会問題があります。それはペットの高齢化と、それに伴う飼い主のペットロス症候群。

そんな中、ペット用の仏壇や仏具・位牌などの開発・販売を行っている株式会社インラビングメモリーが2月1日、東京・外苑前にペットロスを癒すことを目的としたカフェ「ディアペット東京本店」をオープンしました。すでに埼玉や大阪などに展開しているペット用の仏壇・仏具店の本店としてセレモニーホールも併設し、ペットエンディングの総合専門店となっています。

ペットの家族化が進む今、ディアペットが社会において果たす役割とはどのようなものなのでしょうか。ディアペット東京本店の記者発表会を取材し、ペットをとりまく現状やペットロス症候群克服の可能性について探ってみました。

ペットロスから抜け出す方法

一般社団法人ペットフード協会による2016年全国犬猫飼育実態調査では、2017年には323.3万頭だった高齢犬は、2027年には188.4万頭になると予想。つまり、今後10年以内に多くのペットが亡くなることが見込まれているのです。

そんなペットとの死別によって心身になんらかの不調をきたしてしまうペットロス症候群。アイペット損害保険株式会社が行った調査によると、ペットを失った飼い主の63.2%が「何らかの不調」を感じ、68%が「後悔している」と回答したといいます。さらに、ペットロスの悲しみを癒す方法については、約6割が「時間の経過を待つ以外ない」と回答。

ペットロスの具体的な症状としては、突然悲しくなり涙が止まらなくなったり、疲労感や虚脱感、無気力やめまいに襲われたりすることがあるとのこと。家族同然の存在だったペットを失うことで、多くの人が日常生活に支障をきたしてしまう現状があります。ペットロス症候群は、ペットを飼っている人には身近な症状であり、すでに社会問題化しつつあると言えそうです。

悲しみを誰かと共有することで克服につながる

「ディアペットは、時間の経過を待つこと以外で、ペットをなくした悲しみを癒す方法を提供する」と語るのは、自身もペットロスの経験を持つ株式会社インラビングメモリーの代表である仁部武士さん。

今回オープンしたペットロスカフェは、飲食を目的とするのではなく、利用者や、全員がペット飼育者もしくはペットロス経験者だというスタッフとペットを失った悲しみやペットとの思い出、喜びを共有することで癒し合う、コミュニティスペースとしての役割が大きいといいます。ペットの話をすることで悲しみが癒えていく飼い主の姿を、数多く目の当たりにしてきた同社の経験が十分に生かされた場所となっています。

飲み物などを注文すると、亡くなったペットの種類がわかる「ペット札」が渡され、利用者同士が話をするきっかけを自然と作っているのが特徴。また、自由に記入できるペットへのメッセージカードは、店内に一定期間飾った後、ペットが天国に行けるよう、供養祭を行って読み上げるそうです。

40代女性に多いペットロス症候群

ディアペットの店長である関口真季子さんによると、ディアペットを訪れるのは、独身既婚に関係なく40代女性が多いといいます。