5. おひとりさま、セカンドライフを楽しむために
今回は、65歳のおひとりさまの生活費を中心に、今のシニア世代の暮らしについて解説しました。総務省のデータでは、65歳以上の単身無職世帯は、月々の収入約13.4万円に対し、支出は約16.2万円となり、毎月2万7千円ほどの赤字が出ています。特に、住居費が低く抑えられていますが、健康状態によっては医療費や介護費用がさらにかさむ可能性があります。
年金の受給額は、現役時代の働き方によって大きく異なります。厚生年金に長く加入し、収入が高かった人ほど、将来もらえる年金額は多くなる傾向にあります。国民年金のみに加入していた場合、年金収入はさらに少なくなるため、現役時代からの計画的な資産形成が重要です。
今後、一人で暮らすことになった場合に備え、年金収入と支出のバランスを見直すとともに、もしもの時に備えた貯蓄や資産形成について、今から考えておくことが大切です。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
- 厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」1 主な年齢の平均余命
菅原 美優