2025年8月22日に公表された総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国2025年(令和7年)7月分(2025年8月22日公表)」によると、消費者物価指数は前年同月比で3.1%上昇し、生活必需品やサービスの価格上昇が続いていることが示されました。

年金は物価や賃金に応じて改定されますが、実際の物価上昇を十分に補えない場合もあり、家計への影響が懸念されます。

老後の暮らしを安心して送るためには、年金額の水準を把握し、収支のバランスをどう整えるか考えることが欠かせません。

今回は、2025年度の年金受給額やライフコースの違いによる年金額、60歳代から80歳代の年金額を紹介します。

1. 年金制度の基本

日本の公的年金制度は、2階建て構造になっています。

1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)

国民年金(基礎年金)は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が対象です。

2025年度の保険料は月額1万7510円で、収入状況に応じて免除や猶予の制度も設けられています。

国民年金は老齢・障害・遺族の基礎年金として、年金制度の土台を担っています。

1.2 2階部分:厚生年金

厚生年金は、会社や官公庁といった適用事業所に勤める70歳未満の方が加入する制度で、国籍や性別に関係なく対象となります。

加入者はまず国民年金に加入したうえで、会社員や公務員として働く場合には厚生年金にも同時に加入します。

保険料は一律ではなく、給与額に応じて計算され、事業主と労働者が折半して負担する仕組みです。