5. 老後資金の準備は早めに始めておこう
日本の高齢者世帯は、長寿化と物価上昇のなかで「年金だけでは生活費をまかなえない」という課題に直面しています。
統計によれば、70歳代の二人以上世帯では毎月2~3万円程度の赤字が続き、その補填を貯蓄の取り崩しに頼らざるを得ない状況です。
一方で、70歳代の貯蓄額は平均1923万円と高く見えるものの、中央値は800万円にとどまっており、資産の分布には大きなばらつきがあります。つまり、多くの世帯は「平均値ほどの資産は持っていない」のが実態です。
老後資金は世帯ごとの収支によって必要額が変わるため、「平均」や「モデルケース」だけをあてにせず、自分自身の家計状況に合わせて試算することが重要です。
早めに将来の家計収支を予測し、収入の確保や支出の見直し、投資や私的年金制度の活用などを検討してみましょう。
参考資料
加藤 聖人
執筆者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)、生命保険募集人。証券会社で約8年間、株式や投資信託、生命保険等の販売に携わる。退職後はフリーライター兼個人投資家として活動。金融ジャンルの記事を中心に執筆しつつ、日々のマーケット動向も注視している。
監修者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)