4. 【シニアライフの健康】意外なリスク、医療費について考える
ここからはシニアライフの健康について、厚生労働省の調査をもとに見ていきましょう。
令和5年度の調査によると、入院外来ともに「65歳以上」が最も受領率が高くなっていることがわかります。
人口10万人あたりの入院率は次の通りで、年齢が上がるほど入院率も高くなる傾向にあります。
- 65歳~69歳:約1.2%
- 70歳~74歳:約1.5%
- 75歳~79歳:約2.2%
- 80歳~84歳:約3.2%
- 85歳~89歳:約4.6%
- 90歳以上:約6.7%
日本人の平均余命は年々長くなり人生100年時代ともいわれるようになりましたが、その反面入院のリスクも高くなっています。
老後の医療費負担に対して、何らかの形で備えておくことが大切です。
5. 【シニアライフの健康】高齢者は医療保険に加入している?
高齢者のうち民間の医療保険に加入している人はどれくらいいるのでしょうか。
生命保険文化センターの調査によると、医療保障を生命保険で準備していると回答した人は、60代男性で75.4%、女性で77.2%と高くなっています。
70代も男女ともに約65%の加入率となっており、民間の保険への関心が高いことがわかります。
特に、おひとりさまの老後は健康面について不安を感じることも多いかもしれません。「万一の医療費・介護費に備える」という意識を強く持つ人が多いからこそ、自分に合った保険を選んでいるかどうか見直してみることも必要かもしれません。
6. 年金生活の準備は「増やす」と「備える」の両立が不可欠です
年金受給額を見て、年金のみで生活することは難しいと思った人もいるのではないでしょうか。
そのために、新NISA等で積立投資をするなど増やす準備も必要ですが、それだけでは十分とは言えません。年金生活は収入が限られているため、計画どおりの運用ができなかったり、想定外の支出があった場合に、一気に家計が苦しくなるリスクがあります。
老後資金は「投資による資産形成」と「医療費など急な出費への備え」の両面で考えることが大切です。もしもの時にどう備えるか、現役時代からの準備を考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「いっしょに検証!公的年金 公的年金の仕組み」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 厚生労働省「令和5年患者調査の概況」
- 生命保険文化センター「令和4年 生活保障に関する調査」
三石 由佳