総務省統計局の「統計からみた我が国の高齢者-『敬老の日』にちなんで-」によると、65歳以上の就業者数は21年連続で増加し、2023年には930万人と過去最多を記録しました。

これは、年齢に関係なく、長く働き続けられる時代が到来していることを示唆しています。

なかには「もう50歳だから、資産形成を始めるのは遅すぎる...」そう考える方もいるかもしれません。

しかし、たとえ50歳からでも、資産形成を始めるのに遅すぎることはありません。

大切なのは、老後資金の準備に「今から」取り組むことです。

2024年から始まった新NISAは、50代から資産形成を始める方にとっても老後資金の準備に活用できるでしょう。

この記事では、50歳から始める資産形成の重要性と、新NISAを活用した場合のシミュレーション結果を詳しく解説します。

1. 今さら聞けない!昨年からスタートした「新NISA(少額投資非課税制度)」とは?

NISA(ニーサ)は、2014年に資産形成を後押しする目的で導入された制度で、2024年からは改正が行われ「新NISA」として再スタートしました。

最大の特徴は、投資で得た利益が非課税になる点です。

通常であれば、運用益や配当には約20%の税金が課されますが、NISA口座を利用すればその税金がかからず、利益をそのまま受け取ることができます。

【写真全4枚中1枚目】新NISA「非課税」のしくみ、2枚目以降で、新NISAの特徴や、積立投資シミュレーション結果を見る!1/5

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

ただし、NISAには投資できる上限額や対象となる金融商品に一定の制限があります。

そこで次章では、NISAの基本的な特徴について整理して確認していきましょう。

1.1 「新NISA」の特徴をおさらい!新NISAの6つの注目ポイント

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/5

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  • 非課税保有期間は無期限
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用OK
  • 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  • 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  • つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  • 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

「投資」というと、まとまった資金がないと始められないと考える人も多いでしょう。

ですが、新NISAを活用して投資信託や株式など、少額から投資することも可能です。

では、毎月コツコツと積み立てを行った場合、どの程度資産が増えるのかシミュレーションしてみましょう。

2. 【利回り別】50歳から65歳までの間に「毎月5万円」を積立投資した場合

ここでは、新NISAを利用した積立投資によって、どのくらい資産が増えるのかを確認するため、以下の前提条件を設定し、想定利回り1~5%でシミュレーションを行いました。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品

シミュレーション結果は、次のとおりです。

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果3/5

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

2.1 【試算結果】積立投資「毎月5万円」×15年×「年1~5%」の試算評価額は?

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間にわたり毎月5万円を積み立てると、総額で1000万円を超える資産を築ける可能性があります。

元本900万円に対し、運用成果によってはおよそ70万円~436万円ほど上乗せされる試算となります。

ただし、投資である以上リスクは避けられません。

仮に5%程度のリターンを想定する場合には、それと同程度の損失を被る可能性がある点も理解しておく必要があります。

3. 【積立額別】50歳から開始して65歳までに「2000万円」作りたい場合

老後に必要な金額は家庭の状況によって差がありますが、仮に2000万円を目標とした場合、50歳から65歳までの15年間で毎月どの程度積み立てればよいのかを試算してみましょう。

ここでは、年利3%の投資信託に投資したケースを想定し、そのシミュレーション結果を示します。

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果4/5

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

3.1 【試算結果】積立投資「1~12万円」×15年×「3%」の試算評価額は?

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

試算の結果、年利3%で15年間運用した場合、毎月9万円を積み立てれば資産は「2000万円超」に達する見込みとなりました。

ただし、毎月9万円という金額は決して小さくなく、現実的に継続するには負担が大きいと感じる方も多いでしょう。

さらに、利回りはあくまで想定であり、必ずしも目標額に到達できるとは限らない点も念頭に置く必要があります。

そのため、老後資金の準備はできるだけ早めに取り組むことが重要です。

20歳代や30歳代から始めても決して早すぎることはありません。

たとえば、30歳から65歳までの35年間で2000万円を目標にした場合、年利3%で運用すると毎月の積立額は「2万6971円」で済みます。

このように、時間を味方につけることで、毎月の負担を軽減しつつ目標に近づくことが可能となるでしょう。

4. まとめ

ここまで、新NISAの制度やシミュレーション結果を見てきました。

年齢に関係なく長く働き続けられる時代だからこそ、長い目で見た資産形成の必要性が高まっています。

新NISAを活用すれば、預貯金だけでは難しい資産形成を、たとえ50代からでも進められる可能性が期待できます。

ただし、資産運用には元本割れのリスクが伴うことも理解しておきましょう。

リスクを分散させるためにも、ご自身のライフプランに合ったさまざまな選択肢を検討してみてください。

5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金Q&Aまとめ5/5

年金Q&A

出所:日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。

5.1 年金の仕組みってどうなってるの?

まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。

国民年金

国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。

毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。

厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。

そのため、個人差が出やすくなっています。

5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?

通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。

たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。

もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。

5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?

繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。

国民年金の付加保険料を払う

自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。

厚生年金に加入する

もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。

資産運用に挑戦

iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。

ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。

これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?

ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。

参考資料