来月10月15日は年金支給日ですが、支給額などの明細を見ては「今回は社会保険料がいくら引かれているんだろう?」と気になる方もいると思います。特に、後期高齢者医療制度の保険料は、年々負担が増しているように感じて不安に思う方もいるかもしれません。
保険料は地域や所得によっても異なるため、自分の住む地域の保険料はいくらになるのか、なぜ保険料が上がるのか気になりますよね。この記事では、厚生労働省のデータをもとに、2025年度の後期高齢者医療保険料について、わかりやすく解説していきます。
1. 【後期高齢者医療】保険料の平均と地域差
後期高齢者医療制度の保険料は、全国一律ではなく、お住まいの地域や前年の所得によって異なります。まず、2025年度の平均的な保険料と、年金収入別に見た都道府県ごとの保険料を見ていきましょう。
1.1 2025年度の平均保険料は年額約8万円!
後期高齢者医療の保険料は、加入者全員が負担する「被保険者均等割額」と、所得に応じて負担する「所得割額」の合計で決まります。
- 被保険者均等割額(年額):5万389円
- 所得割率:10.21%
これらを基にした平均保険料額(年額)は8万6306円と見込まれています。
2. 【後期高齢者医療】保険料の都道府県別比較
2025年度の後期高齢者医療保険料は、年金収入額だけでなく、お住まいの地域によって大きく異なります。
2.1 年金収入195万円の場合「保険料はいくら?」
年金収入が195万円の場合、月額保険料の全国平均は5673円です。都道府県別に見ると、特に保険料が高いのは以下の地域でした。
- 福岡県:6641円
- 大阪府:6495円
- 大分県:6509円
対照的に、最も低いのは岩手県の4808円でした。
2.2 年金収入82万円の場合「保険料はいくら?」
年金収入が82万円の場合、月額保険料の全国平均は1260円です。このケースで保険料が高い上位3県は以下の通りです。
- 福岡県:1500円
- 鹿児島県:1492円
- 大分県:1480円
最も低いのは岩手県の1092円でした。
このように、年金収入に関わらず、福岡県、大分県などの保険料が高くなる傾向が見られます。反対に、岩手県はどちらのケースでも保険料が最も低くなっています。保険料は所得だけでなく、住んでいる地域によっても差があるため、自身の居住地の保険料を把握しておくことが大切ですね。
3. 【後期高齢者医療】なぜ保険料は高くなる?
後期高齢者医療の保険料が高くなる主な理由としては、「医療費の増加と制度変更」にあると考えられます。まず、給付費のうち高齢者が負担する割合(後期高齢者負担率)が見直され、2024・2025年度は引き上げられました。
また、2024年4月からは「子育ては社会全体で支える」という考えに基づき、後期高齢者医療制度も出産育児一時金の一部を負担することになりました。これによって制度全体の費用負担が増えたことも、保険料が上がる要因の一つです。
さらに、医療給付費そのものが増えていることも見過ごせません。2024・2025年度の1人あたりの医療給付費は、全国平均で年間約90万2000円と見込まれ、過去2年と比べて約2.7%も増えています。ただし、急激な負担増を抑えるため、年金収入が一定基準に該当する人には保険料の増加を抑える「激変緩和措置」が設けられています。
3.1 保険料負担をおさえる「激変緩和措置」とは?
激変緩和措置とは、後期高齢者医療制度の改正により、一部の世帯で保険料負担が急激に増えることを防ぐための特別な配慮です。これにより、所得の少ない方や中間層の負担を抑えることを目的としています。
具体的には、以下の3つの措置が設けられています。
- 年金収入が153万円相当以下の方:
後期高齢者全体の約6割にあたるこの層は、制度改正による保険料の増加がありません。 - 年金収入が211万円相当以下の方:
後期高齢者全体の約12%にあたるこの層も、2024年度は保険料の増加が生じないよう配慮されています。 - 賦課限度額の段階的引き上げ:
保険料の賦課限度額(上限額)も、2024年度は73万円、2025年度は80万円と段階的に引き上げられ、高所得者層も負担が段階的に増える仕組みです。
これらの措置は、家計の急激な負担増を和らげ、高齢者の生活を守るためのものです。ただし、この措置は毎月支払う保険料に関するものであり、窓口で支払う医療費の自己負担割合とは異なることを理解しておくことが重要です。
4. 【後期高齢者医療】医療費の自己負担をおさえる高額療養費「限度額適用認定証」も活用
今回は、2025年度の後期高齢者医療保険料について、具体的な金額や上がる理由を解説しました。医療費の増加や制度変更によって保険料が上がってしまうのは事実ですが、所得が少ない方への「激変緩和措置」など、負担を和らげる仕組みもきちんとあります。
また、医療費の自己負担が大きくなりそうな時は、高額療養費制度の活用も視野にいれる必要があります。これまでは、事前に「限度額適用認定証」を申請する必要がありましたが、マイナ保険証を利用すれば、事前の手続きなしで窓口での支払いが自己負担の上限額までで済みます。これにより、高額な医療費の一時的な立て替えが不要となり、安心して医療を受けられます。また、マイナ保険証がない方も「資格確認書」で対応できます。
大切なのは、国の制度がどうなっているのかを自分自身で理解することです。自分の家計状況を把握し、制度を賢く活用していくことが、これからの生活を安心して送るための第一歩となります。


