3. 【家計をどう守る?】40歳代の貯蓄「より実態に近い中央値は250万円」

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額階層ごと世帯割合(金融資産を保有していない世帯を含む)についてみていきましょう。

※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額

40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

40歳代の二人以上世帯の25.7%が金融資産を保有しておらず、いわゆる「貯蓄ゼロ」の状態であることがわかりました。金融資産が100万円未満の世帯も合わせると、およそ3分の1の世帯で十分な貯蓄がないのが現状です。一方で、2000万円以上を保有する世帯も12%以上あり、貯蓄額は二極化しているといえるでしょう。

この世代の貯蓄額は、平均値が944万円であるのに対し、中央値は250万円と大きな差があります。一部の富裕層が平均値を引き上げているため、多くの家庭にとっての現実的な貯蓄額は中央値に近いと考えられます。

これから貯蓄を増やしたい世帯にとって、まず目指したい現実的なラインは250万円です。この金額は、万が一に備える「生活防衛資金」として、生活費の3カ月から半年分にあたる妥当な水準です。

貯蓄ゼロからのスタートでも心配ありません。目的別の口座を利用したり、給料から自動的に貯蓄に回す「先取り貯蓄」を始めたりするなど、小さな行動を積み重ねることで未来の安心につながります。

4. 【家計をどう守る?】小さな行動の積み重ねが、将来の大きな安心に

今回は、物価高が続く現状と、40歳代の食費・貯蓄の実態について解説しました。食費は家計に占める割合が大きく、工夫次第で節約できる重要な支出です。日々の食費を少し見直すことは、未来の貯蓄を増やすことにもつながります。

40歳代の貯蓄は平均値が944万円であるのに対し、中央値は250万円と大きな差があり、二極化していることもわかりました。貯蓄の第一目標として「生活防衛資金」250万円を目指し、目的別口座や先取り貯蓄などをはじめてみるのはいかがでしょうか。小さな行動の積み重ねが、将来の大きな安心につながります。

参考資料

村岸 理美