高齢社会が進む中、医療制度の持続可能性と公平性を保つために2008年から導入されたのが「後期高齢者医療制度」です。
75歳以上になると、すべての人が自動的に加入する仕組みで、障害がある場合は65歳から加入できるケースもあります。
医療費の自己負担割合は所得に応じて区分されており、特に2022年からは新たに「2割負担」が導入されました。
本記事では、制度の基本から自己負担割合の仕組み、給付内容や経過措置までを整理し、利用者やその家族が知っておくべきポイントを解説します。
1. 後期高齢者医療制度とは?加入対象と仕組み
「後期高齢者医療制度」は、2008年に導入された高齢者専用の公的医療保険制度です。
対象となるのは原則75歳以上の方で、日本に住民票があれば誰でも自動的に加入します。
導入の背景には、高齢化の進行による医療費の増大や、従来の国民健康保険・被用者保険における負担の不公平感を是正し、制度を持続可能にする狙いがありました。
加入にあたり、特別な申請手続きは不要です。75歳の誕生日を迎えると、市区町村から「後期高齢者医療被保険者証(保険証)」が送付され、医療機関の窓口で使用できるようになります。
また、65歳以上であって障害認定を受けている方など、一定の条件を満たす場合は本人の申請によって75歳未満でも加入が認められるケースがあります。