夏休みも終わりました。慌ただしい日常が戻り、久しぶりの登園、登校となったお子様も多いと思います。
猛暑の影響で疲れも出やすく、注意も散漫になりがちな時期、子供のおもちゃなどに使用される「ボタン電池」の誤飲事故には注意が必要です。
電池を誤飲することで、実際に体内ではどのような変化が起きているのでしょうか。
今回の記事では、国民生活センターが作成した「実際のボタン電池誤飲をした場合の再現実験動画」と共に、事故を起こさないようにするにはどうしたらいいのか、紹介していきます。
また記事中では、消費者庁による令和7年版「消費者白書」より、最新の「消費者被害の推計額」についてもご紹介します。
※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
※今回ご紹介する内容は、独立行政法人国民生活センターの掲載許可を頂いております。
1. 【ボタン電池誤飲事故】再現事故動画では、10分で肉がとけ、窪みができるほどの損傷
国民生活センターが2024年7月31日に公表した内容によれば、コイン形リチウム電池やボタン形アルカリ電池などを誤飲した場合、電池の放電により作り出されたアルカリによって、食道や胃などの消化管を損傷(化学やけど)する危険性があるとのこと。
過去には死亡事故も発生しているそうです。
国民生活センターの事故再現動画によると、ボタン電池を飲み込んだ場合、消化管に接触した電池から電流が流れると、電気分解によりアルカリ性の液体が生成されます。アルカリ性の液体はタンパク質を溶かす性質があるため、消化管の壁を損傷します。
動画では、生理食塩水に浸した鶏肉の上にボタン電池を置く実験を実施。約10分で鶏肉にくぼみができるほどの損傷が確認されました。この実験により、非常に短時間で、消化管を損傷するリスクがあることが明らかになりました。