9月に入ると、残暑は残るものの、一気に日没が早くなったように感じますね。
幼稚園や保育園の送迎に、自転車に子供を乗せている保護者の方も多いのではないでしょうか。
これから日が短くなり、視界が暗くなると注意したいのが自転車の事故。
そんな中、消費者庁と国民生活センターの共同事業である「医療機関ネットワーク」には、自転車後部に子どもを同乗させて走行していた際の事故事例が、2019年度以降の5年間で207件寄せられています。
今回の記事では、国民生活センターが作成した「実際の自幼児同乗中の自転車での骨折事故再現動画」と共に、事故を起こさないようにするにはどうしたらいいのか、紹介していきます。
また記事中では、消費者庁による令和7年版「消費者白書」より、最新の「消費者被害の推計額」についてもご紹介します。
※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
※今回ご紹介する内容は、独立行政法人国民生活センターの掲載許可を頂いております。
1. 【子供同乗中の自転車事故】脚や顔などの「はみだし」の骨折事故、半数が骨折
先にお話しした207件の事故の内訳です。
スポーク外傷事故が最も多く、転倒事故、はみ出しによる事故と続きます。また各事故のうち、骨折の割合が特に多かったのが「身体のはみ出し」による事故であり、その半数が「骨折」という重傷を負っている、という結果になっています。
次に事故の具体例をご紹介します。
2. 【子供同乗中の自転車事故】国民生活センターに寄せられた子供同乗中の自転車の事故の事例
医療機関ネットワークに寄せられた事故の情報をご紹介します。
2.1 身体のはみ出しにより大腿・下腿が障害物と接触した事例
- 保護者の運転する電動アシスト自転車後部の幼児用座席に乗っていたところ、子どもの右足とガードレールが接触し、受傷した。
- 保護者が運転する電動アシスト自転車後部の幼児用座席に乗っていたところ、徐行して車止めのポールを通過する際に子どもの右大腿がポールに接触し、股関節を開く形で受傷した。
2.2 身体のはみ出しにより頭部が障害物と接触した事例
- 自転車後部の幼児用座席に乗せて走行していたところ、電柱をよけようとした際に子どもの頭がふられて電柱に接触し打撲した。
2.3 スポーク外傷の事例
- 保護者が運転する自転車の後ろの荷台に乗っていて、左足が巻き込まれた。
また、国民生活センターの動画では、実際の事故を再現する動画が紹介されています。
3. 【子供同乗中の自転車事故】子供の首が!頭が!事故再現動画でわかる恐ろしさ
動画では、身体のはみ出しによる事故の再現、狭い通路を走行した際の事故の再現、スポーク外傷の再現を紹介しています。
3.1 身体のはみ出しによる事故の再現
- 走行中に足を伸ばすなどした場合、幼児用座席からはみ出した身体が電柱や標識の支柱に接触することがありました。
- 後部の幼児用座席に乗った子どもの目線からは、前方の障害物を視認しにくいことがわかりました。
- 幼児用座席から頭部をはみ出していると、障害物と接触することがありました。
3.2 狭い通路を走行した際の事故の再現
- 自転車後部の幼児用座席に子どもを乗せた状態で狭い通路を通過すると、子どもの下腿が障害物に接触することがありました。
3.3 スポーク外傷の再現
- 幼児用座席を使用せず荷台に子どもを乗せると、子どもの足が車輪に強く巻き込まれる可能性がありました。
実際の動画では、子供の脚や頭、首がはみ出していたために障害物に衝突する様子などがリアルに再現されており、事故の恐ろしさが伝わります。
4. 【子供同乗中の自転車事故】子供を荷台に乗せていた時の事故が半数以上
動画では、子供を自転車の荷台に乗せていた際の事故が半数以上と伝えています。
また、消費者へのアドバイスとして、以下のような項目を挙げています。
4.1 自転車後部に同乗中の子どもの事故を防ぐためのアドバイス
- 自転車後部の幼児用座席に乗った子どもは、前方の視界がほとんどありません。子どもにシートベルト及びヘルメットを適切に装着させ、身体をはみ出さないよう声掛けをしましょう。
- 狭い通路を走行する際は、同乗させている子どもが障害物と接触しないよう、自転車から降りて押し歩いて通過しましょう。
- 子どもを自転車に同乗させる際は、年齢や身長に合わせて必ず幼児用座席を使用しましょう。また、荷台に子どもを乗せないこと、小学生以上の子どもを自転車に同乗させないことを徹底しましょう。
自転車の後部座席に乗った子供は、前方がほとんど見えません。また、子供を前後に乗せて運転する場合もあるでしょう。
自身や子供が危険な事故に遭わないために、今回ご紹介したアドバイスを参考にして、安全な自転車ライフをお過ごしください。
5. 2024年の消費者トラブルによる被害額は9兆円という結果に
日々消費活動を行うみなさんにとって、決して遭いたくないトラブルが「消費者トラブル」。
しかし、2025年6月に公表された令和7年版「消費者白書」によると、2024年の消費者被害の推計額(既支払額)は9兆円にのぼることがわかりました。
なお、2020年からの推移は下記のとおりです。
5.1 消費者被害・トラブル額の推計結果(既支払額・信用供与を含む。)
- 2020年:約3.6兆円
- 2021年:約5.6兆円
- 2022年:約6.0兆円
- 2023年:約7.9兆円
- 2024年:約9.0兆円
2024年の金額が近年最高額となっていることがわかりました。
なお、既支払額(信用供与を含む)ベースでの消費者被害・トラブル額の推定額は約9.0兆円ですが、この数字には誤差が含まれており、同基準の消費者被害・トラブル額は95%の確率で8.5~9.6兆円の幅の中にあると推定されています。
また推計結果の推移をみると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費の落ち込みの影響が考えられる2020年の約3.6兆円を除いて、だいたい5兆円から6兆円で推移していました。しかし、近年は増加傾向にあることが見て取れます。
また、消費者被害・トラブル額の推計結果の算出方法には、新手法と旧手法の2種類があります。
同白書によると、「旧手法」では、消費者生活相談情報(PIO-NETデータ)に含まれる、1億円以上の極端に高額な案件も推計に含められていました。そのため、発生自体が稀な高額案件が、推計全体に実態以上に大きな影響を与える可能性がありました。
そこで「新手法」では、消費者被害・トラブル額の推計は、1億円未満のデータに基づき行うこととし、相談案件が1億円以上のトラブルについては、推計には含めず、件数と総額を推計値に併記する形を取っています。
この新しい手法により、ごく一部の極端なデータが推計全体に影響を与えることを防ぎ、また実態により即した推計となりました。
なお、旧手法による2024年の消費者被害の推計額(既支払額)は9.6兆円と、新手法よりも金額が多くなっていることがわかります。
いずれにしても、最新の数字で9兆円にのぼる莫大な金額が被害・トラブル額として推計されている現在、消費者庁は誇大広告や偽表示を行う通販業者への行政処分、SNS広告による詐欺的副業の注意喚起など、迅速な対応を取っています。






