秋の気配が深まり、偶数月である10月は年金支給日を迎える方も多い時期です。私たちを支える日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金から成る「2階建て」構造となっており、加入対象者や保険料の決まり方に違いがあります。厚生年金と国民年金の仕組み

2025年度の年金額は1.9%のプラス改定となりましたが、実際に老後にいくらもらえるのかは、加入履歴によって人それぞれ異なります。では、現実に「みんなが受け取っている年金」は一体いくらなのでしょうか。

今回は、60歳から90歳代(90歳以上)までの厚生年金・国民年金の平均受給月額を世代別に一覧化し、公的年金の受給実態を分かりやすく解説します。

1. 厚生年金、60歳~90歳以上「みんなの平均年金月額はいくら?」

今のシニア層が実際に受け取れる年金額はいくらくらいなのでしょうか。

厚生労働省年金局が発表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、年齢ごとの平均年金月額を一覧形式で見てみましょう。

はじめに厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額を確認します。

1.1 【60歳代(60〜69歳)】厚生年金の平均受給額を一覧化

  • 60歳:厚生年金9万6492円
  • 61歳:厚生年金10万317円
  • 62歳:厚生年金6万3244円
  • 63歳:厚生年金6万5313円
  • 64歳:厚生年金8万1700円
  • 65歳:厚生年金14万5876円
  • 66歳:厚生年金14万8285円
  • 67歳:厚生年金14万9205円
  • 68歳:厚生年金14万7862円
  • 69歳:厚生年金14万5960円

※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給している方も含む。

1.2 【70歳代(70〜79歳)】厚生年金の平均受給額を一覧化

  • 70歳:厚生年金14万4773円
  • 71歳:厚生年金14万3521円
  • 72歳:厚生年金14万2248円
  • 73歳:厚生年金14万4251円
  • 74歳:厚生年金14万7684円
  • 75歳:厚生年金14万7455円
  • 76歳:厚生年金14万7152円
  • 77歳:厚生年金14万7070円
  • 78歳:厚生年金14万9232円
  • 79歳:厚生年金14万9883円