2024年1月に新しいNISA制度が始まり、資産形成への関心が高まっています。さらに金融庁では、今年の7月から「資産運用課」が設立され、国としても「資産運用立国」に向けた取り組みを本格化させています。
そんな中、老後資金に漠然とした不安を感じつつも、「もう50歳だし、投資を始めるのは遅すぎるのでは…」と考えている方もいるかもしれません。しかし、決してそんなことはありません。
今回は、金融庁のデータをもとに、50歳代から新NISAを活用して老後資金を形成する可能性について解説します。毎月5万円を積み立てた場合のシミュレーションもご紹介しますので、資産形成の第一歩としてぜひ参考にしてください。
1. 【50歳からの新NISA】「つみたて投資枠と成長投資枠」どんな違いがある?
投資で得た利益に税金がかからないNISAは2014年1月にスタート、そして2024年1月から新制度が開始されました。新しくなったNISAは従来のものとどう違うのでしょうか?新NISAには、大きく4つのポイントがあります。
- 投資できる金額の増加
- 投資できる期間の恒久化
- 投資信託も個別株式も両方投資可能
- 売却後は非課税投資枠が復活
従来のNISAの投資額は、以下のとおりでした。
- つみたてNISA:年間40万円
- 一般NISA:年間120万円
一方、新NISAの場合は金額が増加しています。
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
さらに、新NISAは投資できる期間も恒久化されました。さらに、投資信託や個別株式に投資できるようになっています。新NISAには、投資信託を定期的に買い付ける「つみたて投資枠」と、株式や投資信託など幅広い商品に投資できる「成長投資枠」の2種類があります。この2つの枠は併用でき、自分の目的に合わせて使い分けることができます。
1.1 「つみたて投資枠」の利用「ほったらかし」でもOK?
「つみたて投資枠」を利用した投資信託の積立投資などは一度設定すれば、あとは「ほったらかし」でも自動で積立投資を続けてくれます。これにより、仕事や家事で忙しい人でも、時間や手間をかけずに長期的な資産形成を目指すことができます。ただし、実際には、市場変動やライフイベントに応じて見直しが必要です。一度設定すれば自動で積立が続きますが、定期的に見直すことも忘れないようにしましょう。