2025年7月18日、総務省統計局は「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)6月分(2025年7月18日公表)」を発表し、総合指数111.7、前年同月比で3.3%の上昇となりました。

年金額も物価や賃金にあわせて毎年見直され、今年も引上げが行われました。

額面では増えているものの、物価高の影響で生活の実感としてはゆとりを感じにくい状況です。

今回は、日本の公的年金制度の概要と最新の年金額、年齢別の平均年金月額を紹介します。

1. 日本の公的年金制度は「2階建て」の仕組み

日本の公的年金制度は「2階建て」の仕組みです。

1.1 1階部分は国民年金(基礎年金)

20歳以上60歳未満のすべての方が加入し、老後の「生活の土台」となる年金です。

立場によって加入の仕方が3つに分かれます。

【第1号被保険者】

  • 対象:自営業者・学生・無職の方

自分で役所に届け出て、自分で保険料を払います。収入が少ないときは「免除」や「納付猶予制度」も使える場合があります。

【第2号被保険者】

  • 対象:会社員・公務員

勤務先を通じて自動的に加入します。給与から天引きされ、会社と折半で負担します。

【第3号被保険者】

  • 対象:専業主婦・主夫など、第2号の扶養配偶者(20歳以上60歳未満)

自分で保険料を払う必要はなく、第2号の方が加入している制度が負担してくれます。

1.2 2階部分は厚生年金保険

  • 対象:会社員・公務員・一定の条件を満たすパート・アルバイトなど(適用事業所に常時雇用されている70歳未満の労働者)

加入にあたっては、国籍・性別・年金受給の有無は問いません。

給与や賞与に応じて将来の年金額が決まり、保険料は会社と本人で半分ずつ負担します。

国民年金だけの方よりも上乗せ分が加わるため、将来の年金がより手厚くなります。

2. 2025年度の年金額は1.9%の引上げ

2025年1月24日、厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から1.9%の引上げです~」にて2025年度の年金額が公表され、年金額は2024年度より1.9%引上げになっています。

【2025年度】

  • 国民年金(満額1人分):6万9308円
  • 厚生年金(夫婦2人分):23万2784円

年金額は増えていますが、物価上昇も続くため、生活水準がそのまま改善するとは限りません。

次の章では、厚生年金と国民年金の年齢別平均年金月額を紹介します。