2. 口座凍結前なら出金は可能?
では、預金者が亡くなっていても銀行口座が凍結される前であれば出金はできるのでしょうか。
答えは「金額によっては可能」です。
銀行は「犯罪収益移転防止法」に基づいて本人確認を行っており、200万円を超える出金を行うときは本人確認が行われます。そのため、本人確認が行われるような金額でなければ出金ができる場合があります。
2.1 口座凍結前の出金はおすすめできない
ただし、銀行は法令に基づいた本人確認以外にも、疑わしい取引だと感じた場合は自主的に本人確認を実施することも少なくありません。
例えば、「出金伝票の氏名の漢字を書き間違った」といった場合は、本人確認を依頼されることがあります。通常、自分の名前の漢字を書き間違えることは考えにくいためです。したがって、「200万円を超えなければ家族が出金しても大丈夫」というわけではありません。
また、死亡後に引き出すと相続手続きにも影響を与える可能性があります。相続人で資産を分ける際に「死亡後に勝手に引き出している」と誤解を生むだけでなく、税務署から「相続資産隠しではないか?」と疑いを持たれるきっかけにもなりかねません。
余計なトラブルを防ぐためにも、凍結されていないからといって引き出すのではなく、きちんと相続手続きを経て出金を行うことがおすすめです。