2. 口座凍結前なら出金は可能?
では、預金者が亡くなっていても銀行口座が凍結される前であれば出金はできるのでしょうか。
答えは「金額によっては可能」です。
銀行は「犯罪収益移転防止法」に基づいて本人確認を行っており、200万円を超える出金を行うときは本人確認が行われます。そのため、本人確認が行われるような金額でなければ出金ができる場合があります。
2.1 口座凍結前の出金はおすすめできない
ただし、銀行は法令に基づいた本人確認以外にも、疑わしい取引だと感じた場合は自主的に本人確認を実施することも少なくありません。
例えば、「出金伝票の氏名の漢字を書き間違った」といった場合は、本人確認を依頼されることがあります。通常、自分の名前の漢字を書き間違えることは考えにくいためです。したがって、「200万円を超えなければ家族が出金しても大丈夫」というわけではありません。
また、死亡後に引き出すと相続手続きにも影響を与える可能性があります。相続人で資産を分ける際に「死亡後に勝手に引き出している」と誤解を生むだけでなく、税務署から「相続資産隠しではないか?」と疑いを持たれるきっかけにもなりかねません。
余計なトラブルを防ぐためにも、凍結されていないからといって引き出すのではなく、きちんと相続手続きを経て出金を行うことがおすすめです。
著者
元銀行員/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、1種外務員資格、内部管理責任者保有。立命館アジア太平洋大学卒業後、入行した銀行で10年間勤務。個人・法人営業として投資信託、保険、仕組債、外貨預金等の提案・販売を務める。現在は銀行での経験を活かし、金融専門ライターとして活動中。兵庫県出身。(2026年4月1日更新)
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)